小田原市議会 > 2021-12-15 >
12月15日-06号

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  1. 小田原市議会 2021-12-15
    12月15日-06号


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    令和 3年 12月 定例会         令和3年          小田原市議会12月定例会会議録(第6日)令和3年12月15日-----------------------------------出席議員(26名)         1番     安野裕子議員         2番     鈴木敦子議員         3番     川久保昌彦議員         4番     角田真美議員         5番     荒井信一議員         7番     宮原元紀議員         8番     池田彩乃議員         9番     大川 裕議員        10番     鈴木和宏議員        11番     鈴木美伸議員        12番     杉山三郎議員        13番     鈴木紀雄議員        14番     木村正彦議員        15番     奥山孝二郎議員        16番     楊 隆子議員        17番     神戸秀典議員        18番     篠原 弘議員        19番     井上昌彦議員        20番     加藤仁司議員        21番     武松 忠議員        22番     俵 鋼太郎議員        23番     清水隆男議員        24番     小谷英次郎議員        25番     岩田泰明議員        26番     田中利恵子議員        27番     横田英司議員-----------------------------------欠席議員(1名)         6番     金崎 達議員-----------------------------------説明のため出席した者  市長            守屋輝彦君  副市長           鳥海義文君  副市長           玉木真人君  教育長           柳下正祐君  選挙管理委員会委員長    井原義雄君  理事・企画部長       安藤圭太君  理事・教育部長       北村洋子君  未来創造・デジタル化推進担当部長                杉本錦也君  総務部長          石川幸彦君  防災部長          韮澤浩一君  文化部長          鈴木裕一君  福祉健康部長        中津川英二君  経済部長          武井好博君  都市部長          石塚省二君  総務課長          阿部祐之君  財政課長          福井康文君  選挙管理委員会事務局書記長 柏木弘光君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長          向笠勝彦  副事務局長         室伏正彦  議事調査担当課長      有泉三裕紀  副課長           高橋洋子  総務係長          城所淳子  主任            城戸寿之----------------------------------- ○議長(大川裕君) ただいまから昨日に引き続きまして小田原市議会12月定例会を開きます。     午前10時0分 開議 ○議長(大川裕君) 本日の出席議員は26人であります。定足数に達しておりますので、これより直ちに本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(大川裕君) 昨日に引き続きまして一般質問を行います。 26番田中議員、登壇願います。     〔26番(田中利恵子君)登壇 拍手〕 ◆26番(田中利恵子君) それでは日本共産党の一員として、これより一般質問をいたします。 初めに、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。 介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)については、要介護1から5までの方も対象となりましたが、サービスの後退や要介護度が重くなることを危惧いたします。そこで、そのことに関して順次伺ってまいります。 2014年6月に国会で、医療・介護法案が可決成立し、同じく6月に介護保険制度の改正があり、これにより全国の市町村において総合事業が次々開始されるようになりました。日本共産党は、これらについては反対をいたしました。 介護保険制度の改正で問題なのは、それまで介護保険の介護予防サービスとなっていた要支援1・2の訪問介護と通所介護が、総合事業に移され、介護保険の給付対象から外されたことでした。 それがさらに、省令改正によって、今年2021年4月からは、要介護1から5の方も総合事業の対象になったことです。要支援者のときに利用していたサービスを、要介護者になっても弾力的に利用でき、介護保険との併用もできるなどとしています。ちなみに、本市では要介護1の方のみを対象にしています。 利用できるサービスは住民主体のサービスとなっていますが、ボランティアが主体になり、自主的に地域の介護予防に資するものとなっています。地域とのつながりを強く意識している感がいたしますが、そのことは一定、よいとしても、果たして要介護者に有効なのかどうか疑問があります。介護保険の訪問介護と通所介護は、専門のヘルパーや介護福祉士が対応していますので、住民主体のサービスとは大分違いがあり、サービスの質の違いから、要介護度の後退になりはしないかと危惧をいたします。 そこで、そもそも提供するサービスが住民主体のサービスでは、要介護者に見合ったものと言えないと考えるのですが、どのように考えるか伺います。 次に、要介護者が住民主体のサービスを利用するに当たり、それを支えるための様々な準備が必要になっています。市町村は、住民主体のサービスを実施しているボランティア団体等に対して、必要な研修の機会を提供するなど、要介護者が安心してサービスを継続するための環境づくりを行い、例えば認知症サポーター養成研修ボランティア養成講座の開催などが求められていて、市町村の備えは膨大になっていると考えます。 市町村だけではなく、その他ケアマネジメントの実施、地域包括支援センターによる支援、極めつけは、利用者の状態変化等への対応では、サービスを実施しているボランティア団体等は、緊急時や状態変化、長期欠席など利用状況の変化時において、事前に要介護者ごとに整理した連絡・相談先を用いて対応するなどとあることです。 そこで、サービスを提供する側の過重負担になると考えますが、どのように考えているのか伺います。 次に、既に対象になっている要支援1・2の方の事業の検証について伺います。 厚生労働省の2017年度の介護給付実態調査によりますと、1年間に介護サービスを受けた人の総数が、対前年度比で9万6000人の1.6%の減となり、604万1200人になったことが分かりました。要支援者を保険給付から外し、総合事業に移した影響との指摘があります。 そこで一つ目に、本市では事業開始以降、各年度の決算において要支援1・2の方が、訪問介護と通所介護の国基準型、基準緩和型、住民主体型サービスをそれぞれどのくらい利用されてこられたのか。2017年度、2020年度についての利用件数を伺います。 二つ目に、利用してこられて、何がどのように向上されたのか伺います。 次に、放課後児童クラブが民間委託となったこの1年について、というところで伺います。ここについては、小田原市放課後児童クラブ仕様書に沿って履行されているのかどうか伺うものです。 放課後児童クラブは、放課後の子供たちが安全・安心に過ごしていくための重要な事業です。また、働く保護者の皆さんが安心して働けるためにも、この事業の存在とその充実は、ますます重要になっています。 本市における本事業の開始からは約28年がたちました。本市の事業開始前は、学童保育所ということで、保護者などが学童保育事業に取り組みました。後に放課後児童クラブと名称が変わりましたが、市が直営で運営するようになり、働く保護者の方が増えると同時に、放課後児童クラブを利用する需要は高まり、現在市内には全小学校にあり、登録児童は1500人を超える状況となっています。大過なく綿々と引き継がれてきた本市の放課後児童クラブの歴史には、支援員、保護者、地域、行政等の熱心な努力があったことと思います。 その放課後児童クラブが、昨年の10月1日に民間委託となりました。委託化の目的は、端的に申し上げますと、安全・安心の向上、サービスの向上、指導員の処遇改善と安定確保ということでした。 私ども会派では、放課後児童クラブは保育・教育の一環であり、営利を目的とする民間企業に委ねるのは適切ではないなどの理由で、民間委託には反対をしてきた経緯があります。 さて、委託化の目的の一つにあるサービスの向上ですが、ここに開所時間の拡大ということがありました。現在の開所時間の利用人数等についてですが、41あるクラブの7時半から8時までの利用人数と、18時半から19時までの利用人数は、それぞれどのようになっているのでしょうか。 そこで、一つ目に、拡大した開所時間の2021年8月及び10月の利用状況について伺います。 二つ目に、拡大した時間も適正な人員体制となっているのか伺います。 次に、仕様書の委託事業者が行う業務内容と支援の体制に関してですが、仕様書には、小田原市で現在雇用している支援員等を積極的に雇用する、こう明記されています。ここについては、とても大切なことだと受け止めています。しかし、それには安心して働ける環境もあってこそ成り立つことだと考えます。 あるクラブでは、複数の中堅の支援員が社内異動になられて、本市の委託事業者が運営する南足柄市の放課後児童クラブの支援員になられたというお話をお聞きしました。どういう経緯があったのかはよく分からないことですが、恐らく事業拡張のための戦略とも取れます。 お話をお寄せいただいた支援員は、これまで築いてきた「小田原市の放課後児童クラブの継承ができない」と嘆いておられました。企業の立場に立てば分からないことではありませんが、支援員同士の信頼関係、やる気等に影響すると考えます。 支援を必要とする子供たちが増えているということもお聞きしています。支援を必要とする子供たちへの適切な人員配置という点では、大丈夫なのかと思うのです。 おやつの提供は、放課後を長時間、放課後児童クラブで過ごす子供たちにとりましては、大事な補給源です。支援員がおやつの購入をしているようですが、支援員の負担になってはいないでしょうか。以上は、支援員からお寄せいただいた声です。 支援員などが安心して働くことができ、御自分の持てる力を発揮できる、働きがいのある環境にしていくことは大事なことで、子供たちが安全・安心に過ごせることに全てつながっていくものと考えます。 そこで、支援員等が働きやすい環境を整えるために、どのようなフォローを行っているのか伺います。 次に、保護者向けのアンケートを年1回実施することになっていますが、実施されたのでしょうか。実施されたとすると、いつ、どのような設問で行い、結果をどのように分析しているのか伺います。 次に、選挙について伺います。 2021年10月31日は衆議院議員総選挙がありました。その際の選挙公報と投票所入場整理券(以下、入場整理券)について、「届くのが遅い」という市民の方からの声を多くお聞きしました。 言うまでもありませんが、選挙公報は、どのような人物が立候補をしているのか、どのようなことを公約に掲げているのか、国会議員等としてふさわしいのかどうかなど、投票するための情報源として、有権者の手元に届くことができる格好のツールとなっています。 入場整理券は、高齢者ほど、手元に届いていないと投票できないのではないかと心配をいたします。問合せがありましたので、そのはがきがなくても投票できることを御説明しましたが、それでも不安そうでした。選挙公報と入場整理券が遅れていることで、市の選挙管理委員会に問合せをした方もおられます。 そこで、これまでと比べ、選挙公報と入場整理券が届くのが遅かったのかどうか、遅いとすれば何が原因か、それぞれについて伺います。 次に、選挙公報の配布についてですが、本市は基本的に新聞折り込みを行い、あとは公共施設に置いているということと、申出があった場合等には一部郵送も行っていると理解をしております。 今回の選挙を通じて、市民の皆さんから様々にお話をいただく中で、選挙公報をいかに重視しているのかということが改めてよく分かった次第です。 そこで、選挙公報は全ての有権者に届け切るべきだと考えます。入場整理券と同じく、郵送することや全戸配布することが、確実に届けることになると考えるのです。それと併せて、公共施設に置くことは必要だと考えます。これらについて、どのように考えるか伺います。 次に、要介護者の方や障がいのある方などが、安全・安心に投票できることについて、ぜひ考えていただきたいということです。 一つは郵便投票ですが、要介護3以上にすべきと考えます。県を通じ、国に向けて実施するよう求めていっていただきたいということです。 二つに、タクシー券の補助を考えていただきたいと考えますが、どのように考えるか伺います。 次に、期日前投票所を増やすべきではないかということです。片浦地区など、不便な地域には増やすべきではないでしょうか。どのように考えるかお伺いし、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 26番田中議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、要介護者への住民主体型サービスについて質問がございました。制度上は、要介護5の方まで対象者を拡大できますが、本市では、本人の状態や事業所が対応可能かを考慮し、要介護1の方のみを対象としております。この制度改正は、高齢者が、地域とのつながりを継続できることを目的とするものでありまして、従来の保険給付を受けることを妨げるものではないことから、高齢者の要介護度の悪化にはつながらないと考えております。 次に、住民主体型サービス事業所への負担について質問がございました。住民主体型サービスは、市が開催する研修の修了者で構成される団体が提供しておりますが、一般の介護サービス事業所に比べまして、提供できるサービスは限定されております。また、サービスの提供に当たりましては、高齢者の希望だけではなく、事業所が、現状で受入れ可能かどうかを判断できることから、事業所への過度な負担とはなっていないものと考えております。 次に、介護予防・日常生活支援サービス事業の利用実績について御質問がございました。2017年度は、訪問型サービスの国基準型が5288件、基準緩和型が112件であり、住民主体型は利用実績がありませんでした。また、通所型サービスの国基準型が1万1508件、基準緩和型が418件、住民主体型が191件となっております。2020年度は、訪問型サービスの国基準型が5285件、基準緩和型が142件、住民主体型が21件となっております。また、通所型サービスの国基準型は1万1425件、基準緩和型が828件、住民主体型が33件となっております。 次に、総合事業の効果について御質問がございました。総合事業への移行に当たりまして、本市では、人員基準等を緩和した基準緩和型サービス住民主体型サービス、短期集中的な機能回復プログラムを提供する短期集中型サービスを導入しました。基準緩和型サービス住民主体型サービスにつきましては、利用件数が少ないことから、効果検証は難しい状況でございます。一方、短期集中型サービスでは、事業実施前後の体力測定で身体機能の向上が見られるほか、事業終了後に、参加者主体の体操教室が始まるなど、自主的な活動につながった事例があり、一定の効果があったものと捉えております。 26番田中議員の御質問のうち、放課後児童クラブにつきましては教育長から、また、選挙につきましては選挙管理委員会委員長からの答弁といたします。 以上をもって、26番田中議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◎教育長(柳下正祐君) 26番田中議員の御質問のうち、放課後児童クラブについては私から答弁をさせていただきます。 初めに、拡大した開所時間の利用状況について質問がございました。委託化に伴い拡大した開所時間は、早朝の午前7時30分から8時までの30分、及び夕方の午後6時30分から7時までの30分、合計60分でございます。令和3年8月の利用状況ですけれども、登録児童1832人に対しまして、早朝の時間が313人で約17%、夕方の時間が133人で約7%でございました。また、10月においては、登録児童1576人に対し、早朝の時間が16人で約1%、夕方の時間が138人で約9%でございました。 次に、拡大した開所時間の人員体制について質問がございました。国の基準では、児童40人に対し支援員等を2人以上配置することとなっておりますが、本市では、国の基準よりも手厚く、児童35人に対して支援員等を2人以上配置することにしており、時間帯にかかわらず、国の基準をしっかり守る適正な人員体制が整っております。 次に、支援員等が働きやすい環境づくりについて質問がございました。委託事業者は、クラブの実情に応じて支援員等を加配することや、社内研修を充実させること等により、支援員等に対しまして働きやすい環境を整えております。なお、研修については、パソコンが苦手な方への操作研修をはじめ、応急処置・アレルギー対応、個人情報保護等、支援員等の要望も聞きながら、多彩な研修が実施されております。 次に、利用者へのアンケートの実施等について質問がございました。仕様書では、年1回、利用者アンケートを実施することとなっており、委託から約半年後の令和3年3月に実施をしたところでございます。設問のうち「児童クラブは楽しいか」という問いでは、約68%の児童が肯定的な回答でありました。楽しいと答えた児童がやや少なかった背景には、緊急事態宣言の発出等によりまして、活動が制約される時期があったことなどが影響していると考えております。また、「スタッフの児童への対応を良いと感じているか」という問いでは、約91%の保護者が肯定的な回答をしており、これらの結果から、おおむね利用者の満足度は高いと捉えております。 以上をもちまして、26番田中議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。 ◎選挙管理委員会委員長(井原義雄君) 26番田中議員の御質問のうち、選挙については私から答弁させていただきます。 初めに、選挙公報の配布日程について御質問がございました。選挙公報につきましては、国政選挙のため、県選挙管理委員会が作成をしており、今回におきましては10月26日に本市に納品されました。そのため、翌日27日に本市施設等に配架し、28日に新聞への折り込みを行いました。今回の選挙公報の配布日程は、これまでの衆議院議員総選挙と同様でございますが、市選挙管理委員会が作成する市長選挙及び市議会議員選挙と比べますと、1日遅い日程でございます。なお、ホームページには、公示日翌日の20日に掲載をしてございます。 次に、投票所入場整理券の配布日程について御質問がございました。今回の衆議院議員総選挙における投票所入場整理券の配送開始日は、前回と比べ、3日後となりました。この要因は、首相による解散日程の表明から公示日までが短期間であったこと、投票所となる施設の確保、決定に時間を要したことから、投票所入場整理券の配送までの工程、つまり作成及び郵便局への持込みが、これまでの選挙より遅くなったためでございます。これは、投票所入場整理券に各投票所の案内図等を表記する都合上、全投票所決定後の作成となるためでございます。 次に、選挙公報の全戸配布についての御質問がございました。選挙公報の郵送やポスティングは、全戸配布が可能なものの、配布に時間を要し、法律で定められました投票日の2日前までに完了しないおそれがございます。一方、新聞折り込みは、新聞購読世帯のみではございますが、即日配布が可能であることから、本市におきましては市施設等への配架といった補完措置も講じた上で、実施しているところでございます。いずれにいたしましても、選挙公報は、有権者が一票を投じる判断の重要な基礎となるものでございます。今後とも、各世帯への確実かつ早期の配布に努めてまいります。 次に、郵便投票の対象者について御質問がございました。各市選挙管理委員会では、全国市区選挙管理委員会連合会を通じまして、毎年、国会及び総務省に対しまして、公職選挙法等関係法令の様々な改正要望を行っております。本件につきましても、平成30年度以降、郵便投票の対象者を拡大するよう、連合会から要望書を提出しているところでございます。今後の国の動向を注視してまいります。 次に、タクシー券の補助について御質問がございました。投票所までの往復分のタクシー無料乗車券の発行や運賃の免除につきましては、対象者の範囲、支援の方法等、公平性の課題があると考えております。今後、投票所への移動が困難な選挙人の投票機会を確保するという観点を踏まえまして、移動支援に係る他市の事例を参考に研究をしてまいります。 次に、期日前投票所の増設についての御質問がございました。期日前投票所の増設は、選挙人の投票に係る利便性の向上に資するものであると認識しております。その設置場所につきましては、二重投票など、不正防止のための投票システムの環境整備が不可欠でございます。26番田中議員からお尋ねのあった片浦地区におきましては、そうした環境が整った施設がないことから、期日前投票所の設置は現状、厳しいことを御理解いただきたいと思います。 以上をもちまして、26番田中議員の御質問に対しての御答弁とさせていただきます。 ◆26番(田中利恵子君) 御答弁いただきましたが、再質問をさせていただきます。再質問は、登壇して質問をした順にさせていただきます。 総合事業ですが、対象が要介護1から5までとなりましたが、サービスの後退や要介護度が重くなることを危惧することについて、というところで伺ってまいります。まず申し上げておきますが、私は、要介護者がこの対象になることには反対をいたします。 本市は、この事業の対象が要介護1から5までになりましたが、本人の状態や事業所が対応可能かを考慮するということで要介護1のみを対象にしたということが、登壇しての答弁にあったと思います。なぜ、例えば要介護2までとしなかったのでしょうか。そこで、なぜ本市は要介護1のみを対象にしているのか伺います。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 住民主体型サービスの対象者の拡大を、要介護1のみとした理由についての御質問でございました。住民主体型サービスは、家事援助やレクリエーション等の提供に限定しておりまして、本人への身体介護は提供できないものとなっております。しかし本市では、過去に、要支援から要介護になった方が住民主体型サービスの継続を希望されて、介護保険外で利用した例があったことから、継続利用のニーズはあるものと考えております。そこで、身体介護の必要性が比較的低い要介護1の方のみを対象としたものでございます。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) 厚生労働省は、総合事業のサービス対象者の拡大などで、2020年8月下旬から1か月間、「介護保険法施行規則の一部を改正する省令案に関する意見募集について」ということで、パブリックコメントを実施しました。結果、寄せられた1000通以上の大部分が反対意見だったといいます。これは、福祉ジャーナリストの浅川澄一氏、この方は元日本経済新聞社編集委員の方ですが、この方の書かれた記事、タイトルは「介護保険『総合事業』の対象者拡大に批判が殺到する理由」に記載がございました。 私自身は、社会保障審議会介護保険部会がまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」に目を通しましたが、そこには「訪問介護における生活援助サービスは身体介護とあわせて一体的に提供されることで有用性が発揮され、利用者の生活を支えており、要介護度にかかわらず同量のサービスを受けている。切り離した場合には状態が悪化して給付増につながる懸念もあり、慎重に検討すべき」、「介護サービス利用者の負担増となることを懸念。要介護1・2の方は軽度者ではなく、認知症の方もおり、重度化防止のためには専門職の介護が必要。施設に入れない、低所得で高齢者向け住まいに入れないなど様々な理由で生活援助サービスを必要としている方がいることに留意が必要。たとえ総合事業が充実したとしても、要介護認定を受けた人の給付の権利を奪うことは反対」、「このほか、介護が必要になる主な理由は認知症であり、要介護1・2で介護の負担が軽いということは決してない。要介護1・2の人を軽度者と称するのは誤解を与えかねないとの意見があった」、ほかにもございますが、こうしたことがございます。 このことを読みましたときに、本当に多くの方が反対をしていることが分かるのでした。 ですから、本市はそのあたりを考慮に入れるなどして、結果、対象を要介護1のみにしたのではないか、私はそう受け止めてまいりました。しかしながら、本市はなぜ、要介護1のみを対象としたのかは、ただいまの御答弁にて分かった次第です。したがいまして、これ以上、ここについての質問はございませんが、そのことは心に留めておきたいと思います。 次に、基本的に住民主体のサービスは、ヘルパーや介護福祉士ではなくボランティアが主体のため、要介護度からすると見合っていないと考えることから、素朴に要介護度の後退になりかねないことを危惧するのです。 それと、これまでのサービスを利用することにおいても、地域とのつながりが持てないわけではないと考えます。そこで、地域とのつながり以外に、対象を要介護1から5までにする理由はほかにあるのか教えていただきたく、伺います。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 住民主体型サービスの対象者拡大の理由についての御質問でございました。国からは、この制度改正の目的について、本人の希望を踏まえて地域とのつながりを継続することを可能とするためとの説明を受けております。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) 国からの指示については分かりました。 本市の総合事業では、住民主体のサービスにより、要介護1の方に、訪問介護サービスでは生活援助の部分を利用していただくことになっていると思います。このサービスは、住民などが自宅を訪問し、買物、調理、掃除などをするサービスです。主体的に活動する住民団体等が、サービスを提供することになっている、こう考えております。しかし、生活援助といいますが、単に生活を援助するといったことではなく、買物や調理、掃除などを通じて、サービスを利用する御本人の、病院に通院する、そうした意欲や療養意欲、機能訓練意欲を復活させ、他の専門分野が果たせない潤滑油を与えることになると専門家は言われております。 ヘルパー2級の方は、130時間、専門性の高い専門知識を学び、身につけています。ボランティアの方の見識では荷が重すぎると、私はそう考えます。ヘルパー等、専門家とは、サービスの質に差がつき、しまいにはサービスの質の低下を引き起こし、要介護度の後退を危惧いたします。 また、住民主体のサービスと介護保険給付と併用できると言われますが、要支援者の訪問介護や通所介護が、介護保険給付から外されたように、やがて要介護者の訪問介護、生活援助や通所介護が、介護保険給付から、また外されるように思えてなりません。既に布石を打たれているように思っています。 そこで、本市では、住民主体のサービスによる訪問型サービスの生活援助についてはどう評価をされているのか、このことについて伺いたいと思います。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 地域とのつながりを大切にするという住民主体型サービスの、その評価についての御質問でございましたが、そちらについては、やはり地域とのつながりを大切にするという視点から、重要な制度であると考えております。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) 本市が、生活援助のそうしたサービスについて、どのようにお考えになっているのかが、重ねて分かった次第です。 それでは、次に移ります。次に、既に総合事業の対象となっている要支援1・2の方の事業の検証について伺います。2017年度と2020年度における、訪問介護と通所介護の国基準型の利用件数をお伺いいたしました。圧倒的に国基準型の利用者が多いのですが、要支援者の方にとりましては、国基準型のサービスがベストだと、こう考えます。基準緩和型サービス住民主体型サービスはさておき、この国基準型サービスについては総合事業とせず、元に戻すべきではないかと考えます。そこで、本市の住民主体型サービスの受皿は、現在どのようになっているのか、どのぐらいあるのか、登録数等について伺います。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 住民主体型サービスの団体数等についての御質問でございました。令和3年12月1日現在、訪問型サービスが3団体、通所型サービスが7団体登録しております。このうち、新型コロナウイルス感染症感染予防等の事情により、活動を休止している団体がございまして、現在活動している団体は、訪問型サービスが1団体、通所型サービスが2団体でございます。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) ボランティアの方たちのマンパワーが不足しているということが課題になっていると思っています。本市の、今後の受皿の整備はできるのでしょうか。その1点だけ、重ねてお伺いします。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 先ほども申し上げましたとおり、重要な制度と考えておりますので、こちらの団体等の育成等も踏まえて、この制度を大事にしていきたいと思っております。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) この先の受皿についても、よく注視していきたいと考えています。 なお、総合事業を利用されて、向上された短期集中サービスにおいての一定の効果については、これは評価をさせていただきます。 それでは、次に放課後児童クラブについて再質問をいたします。 拡大した開所時間の人員体制ですが、しっかりとした人員体制になっていることは、これは評価いたします。ただ、拡大した開所時間の、早朝や夕方の時間帯の人員体制については、委託前にはなかった開所時間の拡大となりましたので、従前からの支援員等の皆さんには、理解・納得いただけているのか伺います。
    ◎理事・教育部長(北村洋子君) 放課後児童クラブの開所時間の拡大への支援員等の理解について御質問がございました。開所時間を拡大するためには、支援員等の増員が必要でありましたが、委託化する前は、市では十分な支援員等の確保が困難な状況でございました。しかし、委託後は、事業者のノウハウを生かした安定的な人材確保により、委託開始時に192人であった支援員等が、1年後には261人に増加し、課題であった人員不足は大きく改善しております。このように、支援員等を増員して働きやすい環境を整えたことで、従前からの支援員等に過度な負担がかかることがなく、開所時間を拡大することができており、多くの方の理解や納得の下で、勤務を継続していただいているものと考えております。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) 支援員から寄せられた声の中には、拡大した開所時間による勤務時間については負担感があるというのもありました。そのことは申し上げておきます。ぜひ、その点は調整をしていっていただきたいと思います。 次に、支援員等の働きやすい環境に関して伺います。ただいまの勤務時間についてもそうなのですが、支援員等の要望をよくお聞きすることは大事なことだと考えます。必要な要望は、ぜひ実現していくべきだと考えます。それは、何よりも働きやすい環境を整えることが、よりよい保育につながると考えるからです。支援員等と委託事業者とのさらなる信頼関係を構築していくための努力を、今後も引き続き行っていくことの必要性を感じますが、これについてはどのようにお考えになるか伺います。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) 支援員等と委託事業者との信頼関係の構築についてお尋ねがございました。安心・安全で魅力的なクラブ運営を行うためには、支援員等と委託事業者との信頼関係の構築は、大変重要であると考えております。委託事業者は、複数の児童クラブを統括するエリアリーダーを3人配置し、定期的な巡回やミーティングへの参加により、各クラブの状況を把握するとともに、支援員等からの要望・意見等に素早く対応することで、信頼関係の構築に努めております。また、委託事業者から市への月例報告の際には、支援員等の状況についても逐次報告があり、その都度、適切な信頼関係を構築するよう指導しております。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) 今の御答弁につきましては、しっかりと受け止めさせていただきます。今後とも支援員等との信頼関係を、ぜひ、より強いものにしていただきたいということを申し上げておきます。 次に、委託後に行ったアンケートですが、「児童クラブは楽しいか」という問いに、約68%の児童が肯定的な回答であったとのことでした。楽しいと感じている児童がやや少なかったことについては、少し気になります。なお、分析されたその理由については、先ほど御答弁がございましたので、これについても一定、分かりました。 そこで、楽しいと感じていない児童の理由は、分析された理由だけではないと思いますので、ぜひそうした児童の気持ちに寄り添って、ますます楽しい放課後児童クラブとなるように考えていくことが求められると思いますが、そのことについてはどのように考えるか伺います。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) より楽しい放課後児童クラブとすることについてのお尋ねでございます。放課後児童クラブは、放課後の居場所として、児童の成長のために大変重要な役割を担っており、本市といたしましても、クラブの魅力をさらに向上させ、楽しい居場所にしたいと考えております。現在、委託事業者は、新型コロナウイルス感染症の感染状況に注意しながら、児童が楽しく過ごすための多くの体験活動を提供しており、UMECOに登録している市民活動団体による、はがき作りやヨーヨーの練習会などのイベント、クラブごとに工夫を凝らした、季節に応じたイベントなどを実施しております。また、支援員等につきましては、積極的に研修を受講するように促し、支援員等のさらなる質の向上にも努めているところでございます。 以上でございます。 ◆26番(田中利恵子君) ただいまの御答弁については了解をいたしました。ぜひ、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。 それでは、次に選挙について再質問をいたします。 まず、選挙公報が遅れたことの原因については、これは一定、理解することができました。しかし、首相の解散発表が遅れたことが、そもそも根本的にあるのかなと。そう受け止めた次第です。これについては、指摘せざるを得ないのかなと思いました。 それと、入場整理券の遅れについては、投票所となる施設の確保、決定に時間を要したとありました。具体的に御説明をいただきたく、伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(井原義雄君) 投票所確保に時間を要した理由について御質問がございました。本市選挙管理委員会では、衆議院議員総選挙の執行期日が確定しない中で、一部報道により有力視されておりました11月上旬で、投票所として予定する各施設を仮予約いたしました。そのことによりまして、各種行事日程を前倒しした施設もございまして、改めて10月31日の予約をする際に、行事日程の再調整をお願いするなどした結果、全53か所の決定に時間を要したところでございます。 以上です。 ◆26番(田中利恵子君) 理由については分かりました。 それでは次に、選挙公報の配布について伺います。新聞折り込み等にしている、この理由についても分かりました。 総務省の投票環境の向上方策等に関する研究報告によりますと、2017年衆議院議員総選挙における選挙公報の配布等の状況は、自治会に依頼するが49.7%、郵便等31.2%、新聞折り込みは25.7%と、第3位と低くなってきています。これは、近年、新聞購読率が減ってきているため、選挙公報が届かない家が増えていることが背景にあるとの指摘があります。そこで、郵送やポスティングによる全戸配布、自治会による配布等が増加傾向にありますが、ぜひ検討していただきたいと考えます。 それと、全投票に占める期日前投票の割合は、2017年の衆議院議員総選挙では37.5%に達しています。国政選挙は、県選挙管理委員会が選挙公報の作成をいたしますが、ぜひ早く作成できるように求めていくべきと考えます。これは、本市が作成する場合も同じことが言えます。 以上、選挙公報の配布について申し上げましたが、どのように考えるか、再度伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(井原義雄君) 選挙公報の郵送やポスティングについての質問がございました。本市におきましては、現状、新聞折り込み等によりましての配布が一番有効な方法と判断し、実施をしているところでございますが、ポスティング等によります配布のメリット・デメリットを含めまして、どのような方法が投票環境の向上につながるか、今後、調査をしていきたいと考えております。 次に、選挙公報の早期作成についての御質問がございました。国政選挙におきます選挙公報の早期作成につきましては、機会を捉えまして、県選挙管理委員会に要望してまいります。市長選挙及び市議会議員選挙の選挙公報につきましては、今後も継続して早期作成・配布に向け、努力してまいる所存でございます。 以上です。 ◆26番(田中利恵子君) 次に、要介護者や障がいのある方について、タクシー券の補助については研究していくとのことでした。ぜひ研究し、実施していくべきだと、これは要望いたします。 先般の衆議院議員総選挙では、携帯用酸素ボンベを使っておられる要支援2の御主人と、歩くことが困難な要介護1の奥様、そういう方とお話をする機会がございました。それから、92歳の独居の高齢者の方は、歩くことが何しろ大変だと言われておりました。要介護3の方は、介護タクシーを利用しても、とても高くて利用することができないのだ、そのようなことをおっしゃられておりました。要するに、皆さん、投票に行きたくても行かれない事情を抱えていらっしゃるのです。ぜひ、タクシー券の補助、よろしくお願いしたいと思います。これは要望を再度させていただきます。 次に、期日前投票所を増やすことについて伺います。心配される二重投票など、不正防止のための投票システムの整備については、他市町村では研究・検討が進み、先進事例も様々にあります。全国の自治体では、国の移動支援、移動投票所の取組が行われてきています。島根県浜田市では、自動車のハイエースを利用した移動期日前投票所を開設し、投票所まで距離が離れた、交通手段の確保が難しい選挙人への投票機会を確保しています。これに倣って箱根町でも、県内ではいち早く、移動期日前投票所を導入しています。二重投票防止は、オンラインがつながっていないため、携帯電話で本庁と連絡を取り、本人確認を行ったということです。 片浦地区を例に出しましたが、片浦地区は、電車やバスを乗り継ぎ、または車を結構走らせなければ、期日前投票所まで行くことはできません。片浦地区は投票率が高いのですが、こうした不便性はあるのです。 桑原にお住まいのある方は、先般の衆議院議員総選挙では、最初にマロニエに行ったところ、50人ほど並んでいたため、そこでの投票はやめて市役所に向かったそうです。車で1時間かかったとのことでした。渋滞していたのでしょうか、そのように言われました。また、マロニエに行かれた別の方は、投票までに1時間30分かかったそうです。途中で帰った方も多く見られたとのことでした。ぜひ、交通手段が不便な地域などは、移動期日前投票所の導入を考えてみてはいかがでしょうか。 そこで、この際、市内の期日前投票所の設置については見直しをすべきと考えますが、どのようにお考えになるか伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(井原義雄君) 期日前投票所の設置見直しについての御質問がございました。期日前投票所の設置に当たりましては、二重投票など不正防止のための投票システムの環境整備が不可欠な上、一定期間にわたり施設を占有しなければなりません。このことなどを考慮しますと、その設置見直しは難しいものと考えてございます。しかしながら、近年における期日前投票の増加傾向を踏まえた中で、体制の整備も含めた投票環境の充実に向けた取組に、今後も努めてまいる所存でございます。 以上です。 ◆26番(田中利恵子君) 今の御答弁については分かりましたが、二重投票防止のための環境整備、これはぜひ研究して行っていくべきなのです。 市長は、デジタル化によるまちづくり、これを展開していこうとお考えになっておりますが、オンラインシステムにはしっかりお金をかけて、こういった投票所こそ、住民、市民には必要なものとなっておりますので、そこのところはぜひ行っていただきたいということを要望させていただきまして、質問を終了いたします。(拍手) ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午前11時15分といたします。     午前11時5分 休憩-----------------------------------     午前11時15分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 27番横田議員、登壇願います。     〔27番(横田英司君)登壇 拍手〕 ◆27番(横田英司君) 日本共産党の横田英司です。 まず、第1項目、デジタル化によるまちづくりとスーパーシティは市民の暮らしのためになるのかについて質問していきます。 本市は、重点政策として自治体デジタル化を推進し、その中の柱としてスーパーシティを目指しています。 私の質問の意図を明確にするために、スーパーシティについて少し説明いたします。 スーパーシティとは、行政や企業が管理・収集したビッグデータをAI技術で活用して、住民の医療、交通、金融などのサービス提供ができる実験都市、未来都市のことを言います。 このスーパーシティは、国際的にはスマートシティと呼ばれているものです。日本では、大胆な規制緩和を行い、世界で最もビジネスがしやすい地域をつくるために、スーパーシティ型国家戦略特別区域制度がつくられました。そこで、スーパーシティと呼ばれているのです。狙いは、世界で一番ビジネスがしやすい環境をつくることであることは、9月議会の一般質問で取り上げました。12月議会では、スーパーシティを、システムとしての観点から、潜在的に抱える問題と課題について取り上げていきます。 そもそも、なぜデジタル化社会、スーパーシティが進められているのか。人工知能、IoT、クラウドは優れた情報技術ですが、これが物やサービスの情報と結びつけば、新たな市場価値を持ちます。ところで、現代社会では、大量の情報、しかも個人情報を持っているのは国や自治体です。また、現状では、行政、学校、企業など様々な組織が、ビッグデータをばらばらに保有しています。企業としては、これらの情報に市場価値を持たせるためには、巨大データホルダーである国や自治体の情報システムとの連携が必要になります。そこで、これらのビッグデータをオープン化して、連携して、共有化できるようにする仕組みを構築したいのです。そして、この仕組みがデータ連携基盤と呼ばれています。 これを実現するのがスーパーシティであり、情報システムという観点からは、様々な組織の持つビッグデータ、そしてデータ連携基盤、そして個々のサービスシステムの三つの層から構成されます。データ連携基盤をコンピュータシステムのOS、個々のサービスシステムをコンピュータのアプリケーションプログラムになぞらえて、データ連携基盤は都市OSと呼ばれることもあります。実際に、本市の説明資料では、都市OSと書かれています。 さて、コンピュータのOS自体は、表計算やゲームのような特定の機能を提供しません。機能を提供するのは、個々のアプリケーションプログラムなのです。スーパーシティでも、住民にサービスを提供するのは、個々のサービスシステムです。データ連携基盤を通して、ビッグデータをAIで分析・活用して実現します。 忘れてはならないのは、OSがないとアプリは動きません。OSによって、アプリの機能や性能は制限を受けるということです。そして、脆弱なOSは、ウイルスからの攻撃や侵入を受けやすくなります。 これと同様に、データ連携基盤が、提供できるサービスの機能、性能を左右し、個人情報に関しての脆弱度を決めます。 スーパーシティでデータ連携基盤が重要なことは、スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定に関する専門調査会の第1回会議で、坂村健委員が、次のように述べていることからも分かります。「デジタル化したプラットフォームを確立して、個々の具体的なサービスは、その上の一つの応用として実現する」、また、「デジタルなインフラの整備というのは、その上でいろいろなイノベーションが安価で短時間で生まれる土壌になるから、そういうようなインフラを作ることが重要なのです」、このように坂村委員は述べています。 坂村委員が言っている「デジタル化したプラットフォーム」や「デジタルなインフラ」というのが、データ連携基盤に当たります。 そして、データ連携基盤の内容についても、坂村委員は次のように言っています。「私は、『マイナンバーを何でも使うということを考えるようなところはないのか』とよく言っているのですが、マイナンバーの利用というのは、個々の応用ではなくて、いろいろな応用のプラットフォームになる、利用者のアイデンティティーの基礎だからと私は言っているのです。それがスーパーシティの目指すものであるべきなのに、どうも関係者にそれが理解されていないではないかと私は提案を見て思いました」、このように述べています。 さて、私は20年近く計算機業界で働いてきましたから、マイナンバーをキーとしたプラットフォームが確立できれば、画期的な応用ができることはよく理解できます。しかし、同時に、このプラットフォームが個人情報保護という機能を組み込むのは、生易しくはないということも想像します。 では、この個人情報保護になぜこだわるのか。それは、データ連携基盤を通してプロファイリングやスコアリングという技術を活用すれば、国家権力による監視社会や、資本による監視資本主義と呼ばれる社会につながる可能性があるからです。 現在でも既に、プロファイリングやスコアリングという技術は使われています。例えば、YouTubeを利用すると、見たい動画が次々と紹介され、興味を引く広告が出てきます。書籍をインターネットで購入すれば、次からは、「あなたが興味を持ちそうな本」が紹介されます。ターゲティング広告と呼ばれます。 しかし、これらの技術がデータ連携基盤を利用すれば、その対象とする情報は量・質とも格段に上がります。YouTubeを使わなくても、インターネットで本を購入しなくても、データ連携基盤に接続しているビッグデータから情報が提供され得るからです。ですから、スーパーシティでは、個人情報が侵された場合の影響は計り知れません。 本市が今、進めているスーパーシティには、監視社会などの意図や目的はないと説明されています。しかし、それだけでは不十分なのです。悪意の利用に対して、個人情報の保護機能がシステム的に、法律的に、運用的に組み込まれているのかどうかが重要なのです。 実際、デジタル化が進んでいる諸国では、様々な個人情報保護の仕組みや制度が設けられています。EUには、GDPRと呼ばれるEU一般データ保護規則によって、個人情報のEU域外への持ち出しが禁止され、企業へのデータ提供について厳しい規則が設けられています。フランスやデンマークなどでは、個人情報の取扱いを監督する独立行政機関である個人データ保護局が設置されています。とりわけデンマークでは、個人番号をデータベースIDとすることが禁止されています。そして、機関の間で情報の交換は基本的に行えず、各組織が管理する情報を一元化することは禁じられています。 それでは、具体的に質問をしていきます。 (1)住民への説明、議論が不十分ではないのかについて。 私が、るる説明してきた理由により、住民への十分な説明と議論は、やってもやってもやり過ぎることはないということを理解していただけたと思います。そもそも、何を規制緩和しようとしているのか、データ連携基盤の基本仕様、つまり、どの住民データをどのようにデータ連携基盤に組み入れるのかが明らかにならないと議論ができません。 本市の進めるスーパーシティについては、これまで未来都市の概念図や理念的なものは示されましたが、データ連携基盤については具体的に示されていません。これでは、懸念される負の側面がどのように出現するのか、これを回避する方式を取ることは可能なのか、一切議論ができません。住民に関するデータが活用されるのに、肝腎の住民が置き去りにされ、計画は進められています。 そこで伺います。以上、述べてきた理由から、住民への説明、議論が不十分ではないのかと考えていますが、所見を伺います。 また、規制緩和は、具体的に何を考えているのか、データ連携基盤の基本仕様はどのようなものか、住民への説明、議論、合意は、今後どのように行っていくのか、議論の結果をスーパーシティの構築にどのように反映するのか、これらのことについて伺います。 (2)データ連携基盤の構築は、デジタル化によるまちづくりでも行うのかについて質問していきます。 今年5月12日にデジタル改革関連法が成立しましたが、このときの平井デジタル担当大臣は、「国や自治体などが保有する有用な情報をオープンデータとして整備・公表したり、デジタル社会における基幹的なデータベースとして、多様な主体が参照できたりするよう整備していきます」、こう述べました。 また、岸田内閣が発足し、新しい資本主義実現会議が11月8日に緊急提言をまとめました。そこには、「将来的に分野横断的なデータプラットフォームの構築へとつなげていく」との目標が盛り込まれています。 そこで、スーパーシティの採択の可否にかかわらず、データ連携基盤の構築は進めるのかを伺います。 次に、大項目2、小田原三の丸ホール開館から見えてきた課題についてを質問していきます。 小田原三の丸ホールが、9月5日に開館しました。建設に当たり、市民からは様々な改良の要望が上がり、市民と共につくり上げたホールだと言えると思います。関係した方々の御苦労に感謝するとともに、開館を心より喜びたいと思います。 さて、建物が完成し、開館したからといって、整備はこれで終わりではありません。ホールという施設は楽器と同じで、実際に使い込んでいくことによって、真の意味で完成されると思っています。ハード面については調整・修正を行い、運用面ではノウハウを獲得することで、この新しいホールのベストな状態に持っていくことができると考えています。 私がよく行くサントリーホールもそうでした。開館して35年たちますが、その間、半年以上休館しての改修が2回あったと記憶しています。今では、客席の床の色は、開館当初とは全く違います。トイレも大きく改修され、女性用が拡張されました。車椅子での入退場がスムーズにできる通路も追加されています。単なる維持修繕ではなく、時代に合わせて拡張・改良されていっています。 ソフト面では、開館当初は燕尾服を着たコンシェルジュの存在に違和感を感じましたが、今は服装も落ち着き、空気のように、存在を意識はしませんが、なくてはならない存在になりました。 肝腎の音響についても、音響がどうのこうのという意識は、今は観客にはないと思います。純粋に音楽しか聞こえてきません。建物として音がつくり込まれたホールになったとも言えますし、観客の耳がホールになじんできたとも言えます。私は、観客の耳が音楽を聴く耳に、ホールと共に成長してきたと考えたいと思います。 音楽専用、それもシンフォニー専用のサントリーホールは、観客とともに、ここまでになるのに35年かかりました。一方、小田原三の丸ホールは、音楽、演劇、時には集会などに使用され、プロから地元アマチュア、子供から高齢者まで、市民が観客として、または演者として、そのように使うためにつくられています。あらゆることに応えなければなりません。 そこで質問します。(1)どのような課題が見えてきたのかについて。 小田原三の丸ホールは開館したばかりですが、現在、どのような課題が見えてきたか、また、どのように対応しようと考えているのかについて伺います。 (2)どのようにして、よいホールに仕上げていくのかについて。 小田原三の丸ホールの催物がベストな状態で行われるようになるためには、どのようなことが必要で、どのくらい時間がかかると考えているか、スケジュール感について伺います。 最後に、大項目3、鬼柳・桑原地区工業系保留区域の農業用地としての価値について質問していきます。 今年9月の建設経済常任委員会で、鬼柳・桑原地区の工業系保留区域において、工業団地整備を推進し、企業誘致における進出企業の受皿とし、地域経済の活性化を図ることが報告されました。時期としては、第7回線引き見直し期間内の市街化区域への編入を目指すということでした。 そして、これに先立ち8月に行われた鬼柳・桑原地区工業系保留区域に係る方針説明会では、市長が次のように挨拶されました。 「『世界が憧れるまち“小田原”』実現にむけた重要取り組みの一つが『企業誘致』であり、県議時代、ニーズにあった産業用地を紹介することができなかった経験から、良好な産業用地が十分ではないと感じている」、このように挨拶されました。 しかし、私は、この区域で耕作している方から話を伺い、また、説明会で出された意見から、逆に、この区域の農業用地としての価値を尊重するべきだと考え、その立場から質問していきます。 (1)鬼柳・桑原地区工業系保留区域について。 市長は、8月の方針説明会で、この区域が工業系保留区域として位置づけられた経緯を、次のように述べられました。「この地域の周辺では、1964年に日本新薬が立地し、1975年に卸商業団地、1981年に木工団地が整備され、1984年に第2回線引き見直しにおいて保留区域に位置づけられた」、このように歴史を述べられました。 つまり、高度経済成長時代、京浜工業地域の一角であるこの小田原の地域に工場立地が始まり、鬼柳・桑原地区も工業系保留区域として位置づけられました。しかし、35年以上保留区域で、市街化区域に編入されることには至らなかったということです。そして、時代も変わり、小田原市全体では企業が流出している状況があります。 そこで、鬼柳・桑原地区が保留区域に位置づけられていながら、35年以上、工業団地の整備が進まなかった理由をどのように考えているのかを伺います。 また、東側区域は2019年に市街化区域に編入され、西側区域についても、地権者の同意状況が、建設経済常任委員会の報告資料によりますと約9割になっています。その理由をどのように考えているかを伺います。 (2)工業用地について質問します。 市長は方針説明会で、「良好な産業用地が十分ではないと感じている」と説明されました。しかし、市内では企業が流出している状況があり、また、DNPの跡地や東側区域など、整備済みの工業用地が空いている状況があります。 そこで、まず、市内の工業用地の状況について伺います。 二つ目に、方針説明会では、市民の方から主に次のような二つの意見が述べられました。一つは、「農地をなくしてまで人口を増やすことが、よいことだとは思えない」と、企業誘致のメリットより、農地保全の価値を訴える意見が出されています。また、企業誘致そのものは、地元のためにはならなかったという意見も出されています。 そこで、工業用地がこれ以上必要なのか、市の考えを伺います。 以上、登壇しての質問を終わります。答弁よろしくお願いします。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 27番横田議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、スーパーシティ構想における規制緩和の具体的な内容について質問がございました。本市が提案したスーパーシティ構想につきましては、現在、国の選考過程にあり、現段階でその内容をお示しすることは適当でないと考えております。 次に、データ連携基盤の基本仕様について質問がございました。スーパーシティ構想におけるデータ連携基盤とは、複数分野のデータを重ね合わせることで、住民サービスの向上につながる基盤でございます。現在、スーパーシティ構想につきましては、国の選考過程であり、内容が確定しておりません。このため、データ連携基盤についても仕様が決まっておりません。スーパーシティ構想が採択された場合には、有識者の意見も伺いながら、本市が行う事業に適したものとなるように検討を進めてまいります。 次に、住民への説明、議論、合意について、そして、その結果の反映について質問がございました。スーパーシティ構想の提出に当たりましては、市議会に報告するとともに、市内5会場で「本市のデジタル化及びスーパーシティ構想に関する意見交換会」を開催し、私も全ての会場に出席して、市民との意見交換を行いました。今後、国の選考結果が判明した段階でも、議会に報告するとともに、適切な時期に住民との意見交換会などを重ねてまいります。 次に、データ連携基盤の構築は、スーパーシティに採択されなかったら進めないのかとの質問がございました。スーパーシティ構想につきましては、現在、国による選考過程にございますので、採否が分からない状況にございます。採択されなかった場合にどうなるのかという仮定の話には答えられません。 次に、小田原三の丸ホールの課題について質問がございました。令和3年9月5日に開館した小田原三の丸ホールでは、現在、開館記念事業や市主催事業を実施しておりますが、利用者や来場者からは、ハード・ソフト両面にわたり様々な御意見をいただいております。具体的には、イベント情報等の早めの告知や、関連グッズの販売のほか、大ホールで音響機器を使用した際の音が聞き取りづらい、トイレや駐輪場の位置が分かりづらい、小ホールの階段の傾斜が急であるといった、施設に対する御意見もいただいております。こうした御意見や課題に対しましては、内容を精査しながら、イベント情報の迅速な告知や施設案内の充実など、まずは運用面で改善できるところから、順次対応してまいります。 次に、小田原三の丸ホールの催しがベストな状態で行われるためには、必要なこと、また、それに要する時間はどのくらいかという質問がございました。小田原三の丸ホールが、そのポテンシャルを遺憾なく発揮し、様々な形態の催物が、最良かつ最適な状態で実施できるようになるためには、運営者側だけでなく、利用者側も試行錯誤を繰り返しながら実績を積み重ね、使いこなしていく必要があると考えます。それにかかる時間につきましては、一概には申し上げられませんが、専門家によりますと、少なくとも数年はかかるものと見込まれております。 次に、鬼柳・桑原地区工業団地の整備が進まなかった理由について質問がございました。鬼柳・桑原地区は、昭和59年に工業系保留区域に位置づけられてから、計5回の線引き見直しが実施され、その都度、工業団地整備についての意向調査を行ってまいりました。調査結果につきましては、保留区域に賛同する意向は多数でございましたが、営農継続の希望や、先行して進出企業を探すべきとの意見などがございまして、事業化に至るまでの合意が得られなかった経緯がございます。そうした中、東側区域におきましては、平成26年に民間事業者から工業団地整備の意向が示され、その後、地権者の合意が得られたことから、令和元年9月に市街化区域に編入されたものでございます。 次に、西側区域整備の地権者同意が約9割となっている理由についての質問がございました。この事業を計画している事業者からは、後継者がいない等の理由で営農の継続が難しいと感じている方のほか、地域の活性化を期待されている方、東側区域の造成工事が竣工し、その実績を見て同意されている方等により、約9割の方が同意されていると伺っております。 次に、市内の工業用地の状況について質問がございました。鬼柳・桑原地区工業団地につきましては、東側区域の6区画中5区画が分譲済み、または協議中でございまして、1区画、約1万8000平方メートルが分譲中でございます。西湘テクノパークにつきましては、26区画中25区画が分譲済みであり、1区画、約1万5000平方メートルが分譲中でございます。また、大規模工場跡地につきましては、旧DNP小田原工場の跡地がございますが、一部、約9000平方メートルを残すのみとなっており、進出企業の受皿となる工業用地は決して多いとは言えない状況にございます。 次に、工業用地の必要性について質問がございました。市内の工業団地や大規模工場跡地への企業進出につきましては、多くが一定期間内に立地があり、本市の企業立地に対するニーズは高いと感じております。私が目標として掲げる、企業誘致による地域経済の好循環の実現に向け、進出企業の受皿となる工業用地の整備が必要であると考えております。そのため、東側区域に続き、鬼柳・桑原地区の西側の工業団地整備を目指しております。 以上をもちまして、27番横田議員の御質問に対しての答弁といたします。 ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時10分といたします。     午前11時46分 休憩-----------------------------------     午後1時10分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 ◆27番(横田英司君) まず、1、スーパーシティから再質問していきます。 基本的に、選考過程だから差し控えるという答弁でした。 データ連携基盤が活用するビッグデータは、市が管理する住民の基本データです。それが、一部であるかもしれませんが、オープン化されるのではないですか。 住民が、自分自身のプライバシー保護のため心配するのは当然です。現在、市が構想しているスーパーシティで提供するサービスは、善意のものであっても、ユートピアを実現するものであっても、データ連携基盤をどのようにつくるかによっては、ディストピアが出現します。データ漏えい、なりすましなどで、悪意で活用する可能性にしっかりと対応できるようにしておかなければなりません。一旦できてしまえば、後戻りができないからです。 詳細な仕組みを説明しろと言っているのではありません。どのようなデータ、特に市が管理している住民データの、どの部分が活用されるのかを聞いています。 11月12日の総務常任委員会では、データ連携基盤につながるデータとして、「地域マイクログリッドによる市内の再生可能電気の一元管理」と示されていましたが、どういう市民データが使われるかは示されていません。また、エネルギー分野だけでなく、移動、観光、医療・介護、教育、防災の分野もスーパーシティで計画されていますが、これらで活用される住民データも何かが不明です。 再度質問します。選考に影響するような詳細は必要ありません。どのような住民の情報が活用されるのかを伺います。 ◎未来創造・デジタル化推進担当部長(杉本錦也君) データ連携基盤で活用するデータについての御質問がございました。繰り返しの答弁とさせていただきますが、現在、本市が提案するスーパーシティ構想は選考の過程であり、内容が確定しておりません。このため、データ連携基盤において、どのようなデータを活用するのかということについても決まっておりません。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 再度質問しましたが、お答えになりませんでした。もう一つ、デジタル化によるまちづくりにおいてのデータ連携基盤の構築においても、選考過程だから答えられないという答弁でした。 今年5月時の平井デジタル担当大臣が、「国や自治体などが保有する有用な情報をオープンデータとして整備・公表したり、デジタル社会における基幹的なデータベースとして、多様な主体が参照できたりするよう整備していきます」と述べたことを、登壇して紹介しました。これはスーパーシティのことでなく、デジタル化について述べたことです。しかし、内容はスーパーシティのデータ連携基盤そのものです。 ですから、現在、スーパーシティとして構築しようとしているデータ連携基盤が、デジタル化によるまちづくりのデータ連携基盤として拡張されると考えるのは自然です。よい悪いではなく、技術的観点からの道理です。問うているのは、スーパーシティでのデータ連携基盤ではなく、デジタル化によるまちづくりでのデータ連携基盤です。そして、問題は、その拡張の進め方に公開性、住民への説明、合意が不十分になることが危惧されることです。御所見があれば伺います。 ◎未来創造・デジタル化推進担当部長(杉本錦也君) データ連携基盤の構築に当たっての市の考え方についての御質問がございました。先ほど、御質問の中で御紹介いただきました閣僚の御発言について、私が論評させていただく立場にはございませんが、一般論として、データ連携基盤の構築に限らず、デジタル化を推進するに当たっては、個人情報を含むデータ活用には、本人の事前同意を得ることが原則になるものと認識しております。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 政府がモデルとして取り上げるエストニアがデジタル先進国になったのは、政府と国民の強い信頼関係、情報の扱いに関する機密性と透明性、個人情報を責任を持って守る仕組みをつくっているからです。そして、この仕組みをつくる前提は、情報公開と国民との十分な議論です。これまでの市のやり方、答弁を聞いて、この前提となる情報公開と、市民との十分な議論が欠けていると言わざるを得ません。本市がデジタル化の先進的なモデル都市として進むべき方向は、情報公開と市民との十分な議論こそであると指摘して、次の質問に移ります。 大項目2、小田原三の丸ホールについて再質問します。 現在の課題、そして対応については承知しました。開館後、見えてきた課題に対して、運用を改善して対応するとのことでした。私は、質問の冒頭で、サントリーホールの施設改修の例を紹介しましたが、小田原三の丸ホールでも、施設改修による対応を考えていないのか伺います。 ◎文化部長(鈴木裕一君) 小田原三の丸ホールの施設改修による対応につきまして御質問がございました。小田原三の丸ホールの開館後、大ホールで音響機器を使用した際の音が聞き取りづらい、トイレや駐輪場の位置が分かりづらいなど、施設に対する御意見をいただいておりますが、開館後間もないことから、運営者側も利用者側も、まだまだ十分に施設及び設備等を使いこなせていない状況であると認識しております。まずは、ホールの音響等機材の使用を積み重ねて、操作の習熟度を高めていくほか、館内備品を活用しながら案内表示を充実させるなど、主に運用面での改善により対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 施設改修に対する考え方については承知し、理解いたしました。 小田原三の丸ホールは開館したばかりで、利用者もスタッフも施設に不慣れであり、ハード面の課題に対して、すぐに施設改修で、特に大規模な工事を伴う施設改修で対応することは適切ではないと私も考えていました。 また、公共の多目的ホールですから、様々な相反する要求も出されることでしょう。例えば音響一つ取っても、スピーカーを使うのか使わないのか、セリフなのか音楽なのか、プロの発声なのかアマチュアの発声なのか、求める要求は全く違います。そうであるからこそ、特定の要望に性急に対応するのではなく、よく運用方法を検討し、適切な対応をしっかり検討していってほしいと要望します。 さて、催物がベストな状態で行われるようになるまでの必要事項についても承知しました。スタッフの皆さんはプロですから、必要事項は承知しているはずです。しかし、新しいホールでどのように具体的に対応するかについては、利用者側と運営者側が実際に使用し、試行錯誤を繰り返しながら調整していくことを考えると、私も3年から5年はかかるのではないかと考えています。スタッフの皆さんは、しっかり経験を積み、利用者の声を聞いてほしいと思います。 そこで、もう一つ再質問しますが、催物がベストな状態で行われるようにするために、計画して取り組んでいることがあるのかを伺います。 ◎文化部長(鈴木裕一君) 小田原三の丸ホールの催物をベストな状態で行うための取組につきましてお尋ねがございました。小田原三の丸ホールでは、現在、開館記念事業の一環として、市内の文化団体等にお試しで施設を利用していただく市民優待企画事業を実施しております。この事業は、施設利用の促進はもとより、運営者側と利用者側が様々な角度から施設や設備等の状況を確認し、三の丸ホールのよりよい使用方法などを検証することを目的としております。まずは、こうした検証作業を進めていくことで、施設をより満足して利用していただけるように運用方法の改善を行い、ホールのさらなる利用の促進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 市民優待企画事業の意義の一つが、ホールをよりよくつくり込んでいくための課題抽出であるというふうに理解しました。利用者の声は、常に聞き続けなければなりませんが、最初に計画立てて課題を抽出しておかなければなりません。利用者もスタッフも、いろいろ試せる場だと思いますので、しっかりと活用して、一緒に検証していってほしいと思います。 そして、私は、観客もホールと一緒に成長するものだと思っていますので、観客も含めた利用者の声をしっかりと受け止めて、多くの方がずっと使い続けるホールにしていってほしいと思います。また、小田原三の丸ホールの館長が言うサードプレイス、つまり職場でも家庭でもないが、ふらっと立ち寄ることのできる居心地のよい場所としての役割も期待していることを表明して、三の丸ホールについての質問を終わります。 次に、大項目3、鬼柳・桑原地区工業系保留区域について再質問していきます。 35年間以上、工業団地の整備が進まなかった理由の一つとして、まず第一に、「保留区域に賛同する意向はあったが、営農継続の希望や、先行して進出企業を探すべきとの意見などがあり」という答弁がありました。これは、農業を続けたい、農地として守りたいという方がずっといたということです。 建設経済常任委員会の資料には、地権者の同意率しか示されていませんが、地権者以外の方も、ここで農作業しています。それも、比較的若い方たちです。こういう方たちが、頑張って農業と農地を守っています。この方たちの思いを聞いているのか伺います。 ◎経済部長(武井好博君) 地権者以外の農作業をされている方々の思いについてお尋ねがございました。地権者以外の、この地域で農作業をされている方々の思いにつきましては、地権者の方々を通じてお聞きする機会がございます。実際に農作業をされている方々の思いも踏まえた上で、地権者の皆さんが工業団地整備に対する意思を示されているものと考えております。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 市内の工業用地の状況についての質問に対しては、「進出企業の受皿となる工業用地は多くない状況である」という答弁でした。 しかし、その内容は、鬼柳・桑原地区工業団地東側区域、西湘テクノパークともに、1区画を残しています。それ以外も、協議中のものもあるということであり、DNP小田原工場の一部、約9000平方メートルが残っていることが明らかになりました。 さて、工業用地としての需要は、市が誘致するために多大な労力を払い、かつ、都市間競争により、多額の公費を投入した奨励金の交付や、本来納めるべき税金を減額するなどの優遇策を取ったことによることが大きいのです。コロナ禍で市民の暮らしが苦しいときに、手厚い優遇施策を行い、農地を工業団地化してまで企業誘致を行う必要があるのか、御所見を伺います。 ◎経済部長(武井好博君) 企業誘致の必要性について御質問がございました。新たな企業の立地は、雇用の場の創出、転入・定住の増加、市内での経済循環、税収の増加等、様々な効果を生み出すものと認識しております。また、大規模な工場等の立地は、その効果が長期に及ぶものでございます。そのため、経済が停滞している状況下においては、一層、地域経済の活性化につながる企業誘致が必要であると考えております。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 西側区域整備に関し、地権者の同意状況が約9割になっている理由を問うた質問に対して、事業者から伺ったこととしてではあるが、「後継者がいない等の理由で営農の継続が難しいと感じている」と答弁されました。 では、なぜ後継者がいないのか、なぜ営農の継続が難しいのか。個々の事情はあるにせよ、根本的には農業だけでは暮らしていけなくなった状況があるからではないでしょうか。決して農家の責任ではありません。国の農業政策こそ問われなければなりません。 そのときに、市としてやるべきことは、営農の継続が難しいのなら、農地を工業団地として整備するのではなく、農業が持続できる政策を取るべきではないでしょうか、所見を伺います。 ◎経済部長(武井好博君) 農業が持続できる政策について御質問がございました。本市の農業におきましては、農業者の高齢化や担い手不足が課題であると認識しております。そこで、今年度策定いたしました小田原市農業振興計画では、本市農業の課題に対応した施策を展開することとし、農業を推進すべき地域におきましては、農業者、市民、来訪者が支え合う、持続可能な農業を目指しているところでございます。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 小田原市農業振興計画(2021年6月版)によれば、小田原市の農業の弱みの一つとして、「経営耕地の減少」が挙げられ、課題として、「農業の持続的発展に向けた農地の確保」が2番目に挙げられています。さらに、「農地は、作物生産機能だけでなく、景観の形成や市民が自然に触れ合う場、雨水の一時的な貯水による洪水の発生防止など、様々な機能(多面的な機能)を有しており」として、「多面的機能の発展に向けた農地の保全」も課題として挙げられています。これは、人類が生存し続けるために、環境保全、食料確保、防災という目標を設定したSDGsと一致しています。農地は個々の農家のためだけではなく、市民全体のために大きな価値を持っているのです。 これらの観点から、鬼柳・桑原地区工業系保留区域の農業用地としての価値を見直し、保全すべきではないのかと考えますが、市の考えを伺います。 ◎経済部長(武井好博君) 鬼柳・桑原地区工業系保留区域と農地保全について御質問がございました。農地の保全につきましては、農業振興計画において、施策に「農地の保全と多面的機能の発揮」を位置づけておりまして、農業振興計画の上位計画である第6次小田原市総合計画や都市計画マスタープラン等の関連する計画と整合を図りながら、農地の保全に取り組んでいくこととなります。そして、工業系保留区域となっている鬼柳・桑原地区のエリアについては、工業団地の整備を推進してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆27番(横田英司君) 私がいろいろ質問してきた、その一番の理由は、SDGsの原点から考えることの重要性からです。 環境の問題、食料不足の問題などは、1970年代からローマクラブの「成長の限界」で危機感が示されていました。では、なぜ、今SDGsなのか。地球温暖化、気候変動が誰の目にも明らかになり、今、2030年を目標に実行しないと、人類が持続できなくなる、取り返しがつかなくなるということを、はっきり私たちが認識したからです。SDGsは、トランスフォーメーション(変革)という強い言葉を使っています。今までのやり方は変えろということです。 この観点から、35年以上前からの工業団地化の計画を続けていっていいのか、思い切って見直すべきではないかと提起いたしました。 また、2030ロードマップでは、「コロナ禍にあって、域外の人を呼び込むチャンス」と捉えていますが、誰にとってのチャンスかということです。コロナ禍で大もうけしたのは、巨大企業のGAFA(ガーファ)です。また、テレワーク、サテライトオフィスは、財界がジョブ型労働、成果主義を導入するために、コロナ禍前から進めていました。財界にとっては、まさにチャンスです。市民の多数である労働者にとっては、コロナ禍で苦しい生活を強いられている上に、成果主義の導入など、耐えられるものではありません。このことを述べて、質問を終わります。(拍手) ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時40分といたします。     午後1時33分 休憩-----------------------------------     午後1時40分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 1番安野議員、登壇願います。     〔1番(安野裕子君)登壇 拍手〕 ◆1番(安野裕子君) それでは、通告に従い一般質問させていただきます。 大項目1といたしまして、新型コロナウイルス抗原検査キットの導入と活用についてと題しまして、抗原検査キット利用による効果等についてお伺いいたします。 日本で新型コロナウイルス感染症が発生してから、約2年になります。現在は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が減少し、私たちの日常生活は少しずつ元に戻り、疲弊した経済活動も回復の兆しを見せています。しかし、アフリカ南部を中心として、新たな変異株の新型コロナウイルスオミクロン株が発生し、一旦収束した国で再度感染拡大しており、脅威となっております。日本においても、新型コロナウイルスオミクロン株の感染者が確認され、第6波感染拡大が始まるのではないかと心配されています。 今夏の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえて、国は、学校や幼稚園、保育所、高齢者施設、障がい者施設に、新型コロナウイルス抗原検査キットを配布しました。また、神奈川県は、ワクチン接種対象者になっていない全ての児童に、新型コロナウイルス抗原検査キットを配布するとともに、希望する県民にも配布しました。 ちなみに、神奈川県では令和3年12月14日時点で、抗原検査キットの配布総数は86万7135世帯で、そのうち利用した人の総数は7643人あり、陽性反応者は3.6%の272人でした。 感染症を診断するための検査として、PCR検査と抗原検査がありますが、抗原検査キットは、体外診断用医薬品として薬局で販売されており、体調が気になるとき、すなわち軽度の症状を自覚した際に、それが新型コロナウイルス感染症によるものであるかどうか、セルフチェックするツールとして便利なものです。 国は、疲弊した経済への対策を講じるとともに、国民の生命を守るため、医療体制の充実とワクチン接種の継続、国産の新薬の開発等に取り組むとしていますが、それと同時に、まずは私たち一人一人が小さなことでも実行し、第6波感染拡大を抑止するように努力することが大切であると思います。新型コロナウイルス感染症が拡大してから、市民生活や地域経済活動に大きな打撃を受けたことは周知の事実です。二度と繰り返さないように、最善の努力をするときであると思います。 そこで、新型コロナウイルス抗原検査キットを利用することで、どのような効果が期待できるのかお伺いいたします。 次に、大項目2といたしまして、中間的就労及び就労準備支援についてお伺いいたします。 国民の三大義務として、教育、勤労、納税があります。勤労の義務に関しては、様々な解釈があるようですが、一般的には、「仕事は誰かのニーズにより生まれ、仕事をすることにより誰かの役に立っている。重要な社会参加である」と考えられています。しかし、心身の不調や長期のブランクなどによる働きづらさを抱え、すぐに就労することが難しい方がいます。そのような方に配慮と支援をする新たな就労の在り方として、中間的就労があります。また、中間的就労の前段階で、生活のリズムや基礎体力をつけるために、日常・社会生活の自立を支援する就労準備支援もあります。これらの取組は、一般就労が難しい方の受皿として重要であります。 そこで、中間的就労及び就労準備支援の取組実績についてお伺いいたします。 また、課題としてどのようなことが挙げられるのか、課題解決のために、今後どのように取り組んでいこうと考えておられるのかお伺いいたします。 次に、大項目3といたしまして、障がい者福祉施策について3点お伺いいたします。 まず、1点目といたしまして、ノーマライゼーション理念の啓発についてお伺いいたします。 おだわら障がい者基本計画では、「地域で生きるすべての人が、お互いに人格と個性を認め合い、誰もがありのままで普通に暮らす社会」、すなわち地域共生社会の実現を基本理念に掲げています。そして、地域共生社会を実現していくためには、より多くの市民が、障がい者への理解を深めることが必須です。 そこで、本市は、今までノーマライゼーション理念の啓発に取り組んできましたが、3年間の啓発事業の内容、対象者、参加者数についてお伺いいたします。 また、今後の課題としてどのようなことが挙げられるのかお伺いいたします。 2点目といたしまして、障がい者グループホーム整備についてお伺いいたします。 老障介護、すなわち高齢の親が、障がい者の子供を介護するということが社会問題になっています。親亡き後に、当事者のついの住みかとして、自宅、施設、グループホームがありますが、現実的に施設への入所は空きが少ないようです。また、国の方針では、障がい者が住み慣れた地域で暮らし続けることが望ましいとされていることから、グループホームの整備が急がれると思います。 そこで、現在までのグループホーム整備の進捗状況について、また、今後の見通しについてお伺いいたします。 さらに、課題としてどのようなことが挙げられるのかお伺いいたします。 3点目といたしまして、農福連携による障がい者の就労支援についてお伺いいたします。 農福連携とは、障がい者や高齢者等が農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。また、農業の担い手不足の解消や、新たな働き手の確保につながる等の相乗効果が期待されています。 本市においては、今年度の予算に農福連携が明示され、スクミリンゴガイ対策として、市内の福祉団体へ業務委託の予算が計上されました。そして、「社会福祉法人宝安寺社会事業部ほうあん第一しおん」の方々が、現地で熱心に駆除作業に取り組まれました。 また、スクミリンゴガイの被害を食い止めるため、県立小田原養護学校大井分教室の生徒が、農業関係者と一緒になって上曽我の水田で駆除活動に取り組み、手作りのわなを水田に設置し、約200匹のスクミリンゴガイの捕獲に成功したと聞きました。 このことは、障がい者が社会参加する機会が広がり、とてもよい取組であったと評価します。そして、このような具体的な取組が広く市民に伝わることで、農福連携が社会的に浸透していくものと考えます。 また、私は、農福連携の取組は、農業を部分的に手伝うことから6次産業化までの多様な広がりの可能性もあり、今後、障がい者の就労に寄与することと期待しています。 そこで、農福連携の取組の進捗状況、及び、今後の取組の方向性についてお伺いいたします。 以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 1番安野議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、抗原検査キット利用の効果について質問がございました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、国や県では、抗原検査キットを配布しております。国からは、主に高齢者施設等の従事者や小・中学校等の職員に対し、県からは12歳未満の児童・園児等のいる家庭に配布されております。本来、体調不良時は医療機関への受診が基本となりますが、症状が出たときに抗原検査キットを使用することで、医療機関を受診するという行動の促進や、感染の可能性のある者の早期発見による感染拡大防止といった効果が期待できます。 次に、中間的就労等の実績について質問がございました。中間的就労及び就労準備支援は、様々な理由から、直ちに一般就労することが難しい生活困窮者等を対象に、それぞれ軽易な就労や社会参加の機会を提供し、自立を支援する取組でございます。中間的就労は、令和元年度は28名、延べ562回、令和2年度は、コロナ禍で休止期間もありましたが、22名、延べ303回の参加がございました。就労準備支援は、令和2年11月に事業を開始し、令和2年度は2名、延べ31回の参加がありました。 次に、中間的就労等の課題について質問がございました。中間的就労及び就労準備支援の参加者は、長期にわたり仕事から離れていた人や体力が落ちている人、人間関係を上手に築けない人など様々でございます。こうしたことから、参加者の状況に応じた多様な活動の場をいかに確保していくかが課題として挙げられます。 次に、中間的就労等の課題解決に向けた取組について質問がございました。現在策定中の第6次小田原市総合計画においては、高齢、障がい、子供、生活困窮といった各分野の取組を相互に活用し、地域住民の複雑・複合化した支援ニーズに対応する、属性や世代を問わない重層的な支援体制の構築を掲げております。中間的就労及び就労準備支援につきましても、重層的な支援体制を構築していく中で、効果的な実施方法を再検討し、多様な活動の場、受皿の拡大に取り組んでまいります。 次に、ノーマライゼーション理念普及啓発事業の内容等について質問がございました。当該事業は、毎年、講演会を開催しておりまして、対象者は特に制限していないことから、年齢や障がいの有無に関係なく、幅広く参加をいただいております。過去3年間の実績につきましては、平成30年度は手話をテーマに、お笑い芸人の砂田アトム氏をお呼びし、参加者は115人でした。令和元年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となりましたが、令和2年度は、私も参加をいたしましたが、車椅子トラベラーの三代達也氏に、世界一周された体験について講演していただき、参加者は170名でした。 次に、ノーマライゼーション理念普及啓発事業の課題について質問がございました。本市では、継続的にその普及啓発に努めておりますが、講演会の参加者は、障がい者やその家族、福祉施設関係者の割合が高い傾向にあり、広く一般の方に参加してもらえるようにしていくことが課題であると考えております。 次に、グループホーム整備の進捗状況等について質問がございました。市内の障がい者グループホームの直近の整備状況につきましては、令和元年度に施設が5か所、定員が23人、令和2年度に施設が1か所、定員が5人、令和3年度は11月末までに施設が4か所、定員が18人増となっており、令和3年12月1日現在、市内全体で施設が45か所、定員が249人となっております。この定員数は、小田原市障がい福祉計画における令和3年度の計画見込量の220人を超えております。また、今後の設置に係る見通しにつきましては、グループホームの新規開設に向け、数件の相談をいただいている状況にございます。 次に、グループホームの課題について質問がございました。現在、市内のグループホームの多くは、軽度の知的障がい者を対象としているところが多く、身体障がい者や精神障がい者、重度の知的障がい者の入所を受け入れる施設が少ないことが問題点であります。これまで、市内のグループホームは、夜間支援を主とする介護サービス包括型でございましたが、最近では、日中にも職員を配置するなど、支援体制を強化した日中サービス支援型の開設が市内でも見込まれており、課題解決に向けた一助として期待しております。今後も、グループホームの許認可を担う神奈川県に要望するなどして、さらなる課題解決に向けた対策を講じてまいります。 次に、農福連携の進捗状況について質問がございました。農福連携におきましては、農業と福祉、両者のマッチングが非常に重要であるため、情報収集や情報共有が必要になってまいります。現在、かながわ西湘農業協同組合に御協力いただき、農業従事者に対する調査を実施して、農作業の内容や環境整備について情報を整理しているところでございます。今後、整理した情報を福祉事業者等と共有するとともに、具体的な作業内容などについて調整に入る予定でございます。 次に、農福連携の方向性について質問がございました。農福連携につきましては、全国各地で取り組まれておりますが、その内容は地域によって様々でございます。これまでも成功事例の視察など研究を進めてきており、それらの事例を参考にしながら、本市の実情に応じた農業と福祉の連携を推進していくことで、小田原らしい農福連携とともに、地域共生社会の実現に向け、取り組んでまいります。 以上をもちまして、1番安野議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◆1番(安野裕子君) 一定の御答弁ありがとうございました。 それでは、順次再質問等させていただきます。 まず、大項目1点目の、新型コロナウイルス抗原検査キットの導入と活用について再質問させていただきます。 まず、小学校や幼稚園、保育所に行っていない児童への新型コロナウイルス抗原検査キットの配布については、県に申請をしなければ配布されません。12月17日が申請期限になっていますが、そのことを知らない市民も多数いらっしゃいます。そこで、神奈川県が、今後も抗原検査キット配布を実施していく場合には、より多くの児童に利用してもらうために、市としても市民周知を行っていく必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。 また、先ほどの御答弁から、抗原検査キットを利用することで、感染拡大防止に対し、一定の効果が期待できるということも分かりました。新型コロナウイルス感染症は、風邪の症状と区別がつきにくいため、受診が遅れるケースもあると思います。つまり、微熱程度のときには、様子を見てから医療機関へ行くということです。例えば勤労者の場合は、仕事を休むことができない、また、高齢者や障がい者の場合は付添いが必要なため、医療機関まで移動することが困難であるという理由からです。また、アレルギーなど何らかの事情で、ワクチン接種が無理な方は、常に不安感を抱えています。 そこで、このような方々のうち、新型コロナウイルス抗原検査キットの購入を希望する方に対して、市として購入費の補助を行うことはできないかどうかお伺いいたします。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 抗原検査キットの関係で2点御質問をいただきました。 まず、抗原検査キット配布の周知についての御質問でございましたが、この事業は、県のホームページ等でも周知されておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためには、受診行動の促進など一定の効果が考えられますことから、市としては、事業の実施状況を見ながら、必要に応じてホームページ等を活用しながら周知していきたいと考えております。 2点目に、抗原検査キットの購入費補助についての御質問でございました。発熱などの症状があった場合は、速やかに医療機関を受診することが望ましいと考えております。本市といたしましては、引き続き、うがいや手洗いなどの基本的な感染予防や、発熱など症状がある場合の医療機関への早期受診を促すこととしておりまして、現時点では、抗原検査キットの購入費補助は考えてございません。 以上でございます。 ◆1番(安野裕子君) 市民周知のことは、どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。 それで、二つ目の質問に対する御答弁なのですが、基本的な、私たちが心得なければいけない予防策ということでの御答弁がありました。また、発熱などのときには、すぐに医療機関へ行く。これは基本中の基本であると思います。しかし、私は登壇しての質問の中で、今、この第6波の感染拡大を防ぐことが本当に大事なのだということを申し上げました。なぜ大事なのかということには二つありまして、一つは国の財政問題、またもう一つは、実際に市民の命を守る、この二つの観点からです。 今、国の財政状況を見ますと、本当に第6波の感染拡大は、どうしても、今ここで防止しなければならないと考えております。新聞報道によりますと、新型コロナウイルス感染症感染拡大で特例措置を設けている雇用調整助成金などの支給決定額が、2020年春からの累計で5兆462億円になったそうです。この支給をしたことによりまして、失業者の大幅な増加に歯止めをかけた一方で、保険財政は危機的な状況になり、政府は2022年度から雇用保険料率を引き上げる方針だそうです。 小田原市内の事業者にとっても、これ以上、感染拡大が長引くことは、本当にこれから過度の負担につながりますので、ぜひとも、この感染拡大は止めていかなければいけないと痛感しているところです。 また、市民の命を守るという観点なのですが、もちろん体調に不安を感じたときには、PCR検査を受けることが一番望ましいことだと私は思いますが、現実的には、本当に軽い症状、37度何分ぐらいかなという、少し熱が高いとか、風邪によく似た鼻水が出る、せきが出るとか、そういう症状の場合に、すぐに往診してもらえるお医者さんが少ないという現実もあるのです。ですから、そういう場合には、とても症状があっても、「医療機関へ今、行こうかどうしようか」と判断に迷われる方もいらっしゃると思うのです。また、高齢者の場合は、本当に誰か、家族とかそういう方が付き添って行かねばいけませんし、それからお医者さんの待合室で長時間順番を待つというのは、これも体力的に大変なことなのです。 ですから理想的には、私が先ほど再質問で申し上げましたように、希望する方に抗原検査キットをきちんと利用していただけるのが望ましいと思うのですが、先ほどの御答弁では、本市としてはそういうことはなさらないということなので、せめて症状が軽い場合にも、訪問して診察してもらえる医療体制づくりを、小田原医師会と相談していただきたいと要望いたします。ぜひ、市長、よろしくお願いいたします。 それから、大項目2点目の中間的就労及び就労準備支援について、これは要望とさせていただきますが、本市におきましては、今まで福祉政策に力を入れてこられたりということは、本当に承知しております。御答弁にもありましたけれども、さらに課題解決に向けて、今後ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 対象となる方は、一般就労ができない方や、ひきこもりが長かった方などで、いわゆる福祉の制度のはざまにいる方が多いのではないでしょうか。そのような立場の方の社会参加と自立を支援するために、多様な受皿を用意することが、とても重要であると思います。 一つの事例といたしまして、長年引き籠もっていた方が、障がい者の福祉施設へボランティアとして通うことにより、障がい者の方から励まされ、御自身の生活が自立し、毎日仕事に励んでいるということも聞いています。これは成功事例であると思います。つまり、その方にとっての居場所が見つかったのではないでしょうか。 福祉の制度の縦割りを見直し、地域の協力の下に包括的に支援をする取組が、本市のケアタウン構想だったのです。今まで築いてきた福祉の理念を、第6次小田原市総合計画の実行計画に、ぜひ引き継いでいってもらいたいと思います。これは要望させていただきます。 次に、大項目3の障がい者福祉施策について、何点か再質問させていただきます。まず、ノーマライゼーション理念の啓発について、2点再質問させていただきます。 実は、「障害平等研修」というものがあります。これは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のボランティアの集合研修をはじめ、様々な自治体や企業の研修として実施されているという、実績のある研修です。障がい者の社会参加や、多様性に基づいた共生社会をつくることを目的として、障がい者自身がファシリテーターとなって進めるワークショップ型の研修です。既に、市民団体が、市民活動応援補助金を活用して実施しましたが、障がい者への理解を深めることができる内容の研修であると思います。 そこで、本市におきまして、障害平等研修を導入したらどうかと思いますが、いかがでしょうか。 また、ノーマライゼーション理念の啓発事業は、人権啓発でもあります。そこで、人権啓発事業と合同で取り組んでみたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) ノーマライゼーション理念の啓発について、2点御質問をいただきました。 まず、障害平等研修の導入についての御質問でございます。1番安野議員御紹介の障害平等研修は、今年度、小田原市でも開催されておりまして、本市の職員も参加しております。障害平等研修は、地域社会の中での障がい者の戸惑いや不自由さをイメージすることができ、ノーマライゼーション理念を理解する上で有効であると思われますので、今後、市が実施する講演会や研修会の形態の一つとして検討してまいりたいと考えております。 次に、人権啓発事業との合同の取組についての御質問でございました。ノーマライゼーション理念とは、障がいのある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指すもので、その理念の啓発は、全庁的に取組を進めているところであります。また、人権啓発事業は、障がい者の人権も含め、「小田原市人権施策推進指針」に基づき、人権啓発の研修会等を開催しておりますことから、広く一般の方に参加してもらうためにも、人権啓発事業と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆1番(安野裕子君) 前向きに取り組んでいただけそうなので、本当に期待しております。 障害平等研修は、私も受けました。オンラインで、遠方に住む障がい者の方も参加していました。 まず、10分程度の映像を見まして、それに対して障がい者と健常者が少人数のグループになって意見交換をします。映像の内容は、障がい者が圧倒的に多く、健常者が少ないという社会を想定し、日常生活を再現したものでした。それによって、私は新しい気づきを得ることができまして、大いに反省もいたしました。また、参加された障がい者の方も、最初は遠慮がちでしたが、お互いに距離が近くなって、親しく意見交換ができました。この障害平等研修は、実績のある研修なので、ぜひ導入していただきたいと思います。 また、特に私は、この研修は若い方にも受けていただきたいと思っております。中学生にも研修を受けていただきたいと、つくづく思いました。よろしくお願いいたします。 次に、障がい者グループホーム整備についてなのですが、これは先ほどの御答弁から、日中支援型のグループホーム整備の見通しがあるというような御答弁内容でした。非常に心強く思いました。しかし、課題はまだまだ山積しています。家族の高齢化は今後ますます進んでいき、深刻な状況が出てくると思います。当事者や家族が安心して生活できるように、課題解決に向けて施設整備等の計画を立てることが大切です。 第2期おだわら障がい者基本計画の計画期間満了が令和4年度、第6期小田原市障がい福祉計画の計画期間満了が令和5年度になっていますので、次期の計画策定に当たっては、まず、当事者や家族のニーズを把握し、反映していただきたいと思います。これは、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、農福連携による障がい者の就労支援について再質問させていただきます。 御答弁から、農福連携事業が着実に進んでいることが分かりました。そこで再質問させていただきます。かながわ西湘農業協同組合と連携をし、取組を進めてきた中で見えてきた課題とは何かお伺いいたします。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 農福連携のこれまでの取組で見えてきた課題についての御質問でございました。農福連携を正しく理解し、その必要性を認識している農業従事者や福祉事業者はまだまだ多いとは言えず、まずは農福連携について知っていただくことが大事だと考えております。また、農業従事者と福祉事業者がお互いを理解するような場が少ないことなども、課題の一つだと考えております。 以上でございます。 ◆1番(安野裕子君) 課題が見えてまいりました。農福連携という言葉の歴史はまだ新しく、2016年に閣議決定したニッポン一億総活躍プランに盛り込まれたことにより、全国的に広がりを見せているようですが、まだまだ周知は不十分であると思います。 そこで、農業者や福祉事業者への周知をどのように取り組んでいくのか、また、農業者と福祉事業者との接点をどのように広げていこうと考えておられるのかお伺いいたします。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 2点御質問をいただきまして、まず農福連携の周知方法についての御質問でございます。まずは、当事者である農業従事者と福祉事業者に知っていただくことが最優先と考えておりまして、先進的に取り組んでいる地域の自治体や民間事業者等による講演会や研修などを実施いたします。また、市内において既に取り組んでいる方々に、身近な現場での実体験などを伝えていただくことも、理解を深めるためには有効だと考えております。このほかにも、市の広報紙やホームページを活用して、当事者以外の市民にも、農福連携について知ってもらえるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、農福連携の接点の拡大についての御質問でございました。農業従事者と福祉事業者との交流については、周知活動と同様に、行政が中心となって取り組んでいくべきだと考えております。今年7月に、両者を交えた農福連携のワークショップを、いこいの森で開催いたしましたが、このような取組を定期的に実施するほか、お互いの現場を視察し合うなど、交流の場を広げてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆1番(安野裕子君) 本当に、まず現場感覚で交流の場を広げていくということが大切であると思います。 既に小田原市内では、この農福連携の取組を実施しているところがあるのです。ですから、そういう事例を一緒に学ぶ、そしてその体験を聞いて、「こういうところは改正したほうがよかったと思うよ」とか、様々な参考になる意見が出てくると思うのです。そういう意見交換を積み重ねていけば、より効果的な周知につながると思います。先ほどの御答弁でも、そういう活動をしていきたいというような内容でしたが、再度、確認という意味も含めまして、こういう交流活動というものについての取組を、どのようにお考えになっているか、お答え願いたいと思います。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 農業従事者と福祉事業者の交流会の実施というものについて御質問がございました。農福連携を推進していくためには、お互いを理解することは非常に重要なことだと認識しております。先進事例の視察や意見交換会など、共に農福連携について研究することは、相互理解を一層深めるとともに、効果的な周知につながると考えられますことから、早急に検討してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ◆1番(安野裕子君) 農福連携の取組は、以前、市長にもお伺いしたことがあり、市長も非常に力を入れていただけるというようなお話を伺っておりまして、本当に私は期待しております。小田原市は、まだまだ豊かな農地があり、海があり、山がありということで、農福連携にはとても条件がかなっていると思うのです。 この農福連携というのは一つのパターンだけではなくて、いろいろなバリエーションを組むことができると思うのです。そして、さらには6次産業化、そしてプラス付加価値として福祉というものが加わったような、いろいろな新しい産業の在り方の可能性というものが感じられる分野であると思って、私もとても楽しみにしております。 登壇しての御答弁の中に、今後の取組の方向性についての御答弁がありまして、成功事例の調査研究もしていくというようなこともございました。実は、本市は、成功事例の調査研究は、既に10年くらい前から取り組んでいたという事実があると聞いています。行政職員が成功事例を調査研究することは、今後の発展に大変寄与すると思いますので、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。 それでは、今回の私の一般質問の大項目2と3に共通する質問をさせていただきます。 大項目2と3に共通するテーマは、「共生社会の実現を目指す」ということです。共生社会の実現はSDGsの目標であり、人類の目指す方向性でもあります。また、本市は、第6次小田原市総合計画において、世界が憧れるまちを目指しています。そこで、本市が共生社会の実現を目指すことは大変意義深いことであり、必ず達成すべき課題であると考えております。 玉木副市長は、元神奈川県保健福祉局副局長として福祉政策に深く関わってこられ、特に津久井やまゆり園の悲しい事件を通して、神奈川県政に「共に生きる」という大きな目標を掲げた方々のお一人と伺っております。 そこで、玉木副市長の経験から、本市の今後の市政における共生社会の実現について、御所見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎副市長(玉木真人君) 神奈川県職員として福祉政策を推進してきた経験を踏まえた、共生社会づくりについて御質問をいただきました。 ともに生きる社会かながわという共生という理念、これは神奈川県において、県政推進の基本的な考え方の一つでありまして、福祉政策がまだまだ手探りであった時代には、この理念を胸に刻みながら、例えば昔、作業所というのがありましたけれども、作業所が障がい者の地域生活に役立つというものであれば、星の数ほど作業所を、この神奈川県内につくっていこう、そんな思いを持って、県の職員が作業所の皆さんと知恵を出し合いながら取組を進めた、そうしたこともあったということを先輩職員から話を聞きました。私も、時代は違いましたけれども、共に生きる社会という理念を、その時々の社会環境の変化の中で、どのように生かしていくかということが、やはり重要なテーマであったことは間違いありませんでした。 そうした中、平成28年7月に起きました津久井やまゆり園での事件、これはその事件の凄惨さ、そして障がい者に対する犯人の大変に差別的な発言、さらにはそうした発言のSNSでの発信に、賛同するかのような書き込みの出現ということが、それまでの共に生きる社会の取組を無にしてしまわれるような衝撃がありました。しかし、このままではいけない、共に生きる社会づくりに自分たちの、私たちの力で取り組んでいかなければいけない、そうした強い決意から、県と県議会により策定されたのが、「ともに生きる社会かながわ憲章」というものでありました。 なお、その際、県と県議会でありますから、県議会側を代表する立場にあり、事に当たられたのは、当時、県議会議員でありました守屋市長でありました。 この憲章は、命を大切にする、誰もがその人らしく暮らせる社会をつくる、差別をなくすなど、共生社会に向けた取組を宣言しておりますけれども、もう一つ大事なポイントがございまして、それは、そのいずれの取組も、主語が「私たち」であるということだと思っております。他人事ではなくて私ごととして行うこと、そして私一人ではなくて、私たちで行うということであります。個人、法人を問わず、市民の皆様一人一人が、自分事、私ごとというふうに意識していただきまして、みんなで力を合わせる。そうした際には、今回の質問の中で出ておりましたようなノーマライゼーションの研修ですとか農福連携のワークショップというのも、大変有意義なものかと感じております。 そうすることで、みんなで力を合わせることで、地域共生社会につながる大きな動きになっていくと信じているところでございまして、長い道のりになるかもしれませんけれども、本市の共生社会の実現に向けて注力をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。ありがとうございました。 ◆1番(安野裕子君) ただいま玉木副市長からの、本当に今までの神奈川県の職員としての思い、そういうことを伺うことができて本当によかったと思います。 私も、先ほど玉木副市長の御答弁の中で、主語は私たちということ、これは非常に印象に残りました。人のことではなくて、私たちのことなのです。私たちが、みんなで幸せになっていこうねという、この精神が、共生社会の実現ではないかなと思っております。 一口に、よく福祉福祉と言うのですけれども、では福祉とは何なのですかということを、よく市民の方から質問されるのです。私、福祉をどうやって説明したらいいのかなと思いまして、実は国語の辞書を引いてみたのです。そうしたら、福祉というのは平仮名で4文字だけだったのです。平仮名で「しあわせ」と4文字だけで書いてあるのです。こういうことだったのかと。 私たちはいろいろな幸せを求めるのですが、では、どういうものが幸せなのか、そういうことを、これからみんなで共有しながら、まちづくりを進めることが大事なのかなと改めて感じました。 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後2時45分といたします。     午後2時34分 休憩-----------------------------------     午後2時45分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 12番杉山議員、登壇願います。     〔12番(杉山三郎君)登壇 拍手〕 ◆12番(杉山三郎君) まず初めに、新型コロナウイルス感染症対策でありますが、9月以降、新規陽性者数が急速に減少し、その要因として、専門家からワクチン接種率の向上が挙げられております。また、新型コロナウイルスオミクロン株の襲来も懸念されるため、警戒と対策を引き続き取るべきとの指摘もあり、この難局を皆様と共に、全力で乗り越えるよう取り組む所存であります。 それでは、通告に従い順次質問させていただきます。 大項目の1として、行政改革次期計画の策定についてとして質問させていただきます。 さきの11月12日の総務常任委員会で、行政改革次期計画の策定について報告がありました。その概要は、第2次小田原市行政改革指針及び第2次行政改革実行計画の期間が、令和4年度までとなっていることから、次期計画の策定に向け、市の附属機関である行政改革推進委員会に、次期計画の基本的な考え方について諮問し、当委員会からの答申を踏まえ、令和5年度からスタートする次期計画を策定すると報告がありました。 そもそも行政改革とは、国や地方の政府の行政機関の組織の機能を改革することであります。組織の在り方のみならず、財政改革を含めると、総合改革ないしは行財政改革とも呼ばれることもあり、多くは行政組織の効率化と経費削減を目的とし、公務員の配置転換や免職を伴うとして定義されております。 そこで、(1)として、第2次行政改革実行計画(平成29年度~令和4年度)のこれまでの主な取組と実績について伺います。 次に、(2)として、行政改革次期計画の基本的な目標、視点について伺います。 行政改革を進めるに当たっては、行政を取り巻く環境の変化を見定めることが重要なことだと思います。1として地方分権の進展、2として社会の成熟化、3として高度情報化の進展、4として厳しい経済環境と財政悪化などです。 これらの行政を取り巻く環境の変化を捉え、また、コロナ禍の厳しい社会経済情勢を踏まえ、新たな行政改革に取り組む視点としては、1として、市民本位の総合行政を推進するための積極的な企画立案、2として、市民利用者の視点に立った業務、3として、市民とのパートナーシップによる市政運営、4として、職員の意欲に基づく自律的な行政運営の改善、5として、限られた行政資源の効果的な活用など、従来の行財政運営全般を見詰め直し、新たな改革を行うことが必要ではないかと考えます。 そこで伺います。行政改革次期計画の基本的な目標、視点について伺います。 次に、(3)として、第2次行政改革実行計画の期間が令和4年度までとなっているが、新総合計画と連動させるべきではないかと思うが、見解を伺います。 現在、市では第5次小田原市総合計画、すなわち、おだわらTRYプランに基づき展開してきたこの計画期間を1年前倒しし、令和4年度当初からスタートする新たな総合計画を策定中であります。 また、第2次小田原市行政改革指針には、「近年、社会状況は急速に変化し、少子高齢化の対策、情報化への対応、環境問題への取組など市民の価値観やニーズの多様化に応じた新しい行政サービスの需要が増えていますが、人件費、扶助費及び公債費からなる義務的経費の割合が高くなると、新しい行政需要に対応する財源が不足することになります」とうたわれております。 私は、総合計画の実行計画の裏づけとして、行政改革次期計画の計画期間を、本来連動して考えなければいけなかったのではないかと思いますが、見解を伺います。 次に、(4)として、2市8町合併問題は行政改革の核と思うが、見解を伺います。 私は、2市8町の合併については、定例会ごとに質問させていただいております。守屋市長の答弁は、「各市町それぞれが自立して行政を運営しているので、現時点においては、本市から働きかけて各市町の行政改革の状況や将来像を検証し、合併の必要性を検討する考えはない。各首長の意見も聴取する考えはない」との答弁でした。 平成の大合併から約11年が経過しました。県西地域2市8町の合併問題については、平成21年12月定例会で質問され、その中で2市8町の首長の出席の下、県西地域合併検討会が開催され、この検討会で、歳出はおよそ150億円縮減されると報告がありました。 また、平成28年度から29年度にかけた「小田原市・南足柄市『中心市のあり方』に関する任意協議会」における協議結果から、両市の事務事業の調整により、年間約18億円の削減、合併後の10年間の累計で約150億円の財政効果額が見込まれると報告されました。 私は、これだけの財政的な効果が見込まれているにもかかわらず、なぜ合併について前向きに検討されないのか分かりかねます。 また、県西地域2市8町において、50年にもわたって広域連携を進めているにもかかわらず、なぜ行財政改革を進めて前向きに検討されないのか分かりません。 コロナ禍で市民・町民が大変な生活環境にあえいでいる今こそ、合併について検討すべきと訴えるが、市長は「考えていない」とお答えになる。私には考えられません。 私は、小田原市長は2市8町の長でもあると考えておりますので、守屋市長には、歴代市長がなし得なかった合併を、積極的に進めていただきたいと期待しているところです。広域的に市、町を連携させ、合併して一体になることこそが、守屋市長が掲げる「世界が憧れるまち“小田原”」が実現可能となるのではないでしょうか。 そこで、2市8町合併問題は行政改革の核と思うが、見解を伺います。 次に、(5)として、大阪市の行政改革を見習うべきと思うが、見解を伺います。 さきの衆議院議員総選挙において、大阪では、吉村府知事、松井市長率いる日本維新の会の圧勝に終わりました。この結果に鑑みて、やはり住民主体の政治、すなわち政治家自ら身を切る改革、行政改革を徹底的に進め、実践し、結果を出し、市民一人一人が豊かさを感じた結果だと思います。 そこで、大阪市が実践した行政改革の一例を述べると、1として公務員制度改革・給与制度改革、具体的には市長の報酬の4割カット(条例額162万円を100万円に、及び退職金ゼロ等々)。2として財政改革では、市政改革プランに基づき借金や予算不足額の着実な削減により、約397億円削減(達成率95%)を実現。また、具体的な内容は、財政規律の遵守と健全な財政運営に向け、補填財源に依存しない方針を打ち出し、これまでの予算編成のリセット、暫定予算の手法により一気に政策転換を実現。また、平成25年度には、当初予算346億円の収支不足が、通常収支不足ゼロ(決算時)となった上、約200億円の積立金を創出。平成26年度も、当初予算174億円の収支不足が、収支不足ゼロ(決算時)プラス見込みへ改善等々、多くの具体策の実行計画に基づき実践された結果と思います。 そこで、小田原市も、行政改革について大阪市に見習うべきと思いますが、見解を伺います。 次に、大項目の2として、持続可能な地域維持事業の発展を図る方策について伺います。小田原市は令和元年に、「人と人とのつながりによる『いのちを守り育てる地域自給圏』の創造」として、SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業に選定されて、今日に至っている。私はこのうち、特に経済に視点を当て、伺ってまいります。 地元経済活動の根幹をなすと思われる公共事業の発注方法についてでありますが、市は公募型プロポーザル方式を取り入れたり、また、取り入れようとしている。私は、プロポーザル方式を全て否定するものではありませんが、どうも市の発注方法が、結果的に本市の地域経済を圧迫することになってしまうのではないかと懸念しております。 私の懸念が現実として発注したのが、令和元年度に執行しようとした公共施設包括管理マネジメント事業であります。これは、関連業界を含む関係者や、また、当議会でも大きく取り上げ、小田原地域経済を圧迫することになってしまうとの指摘にもかかわらず、優先交渉権者を決定したが、突然中止したという出来事です。この出来事は、安易に公募型プロポーザル方式を採用することに問題があることを突きつけられた、よい例だと思います。 そこで、(1)として、2019年12月に公共施設包括管理マネジメント事業を中止した経緯と、その後の取組について伺います。 次に、2として、学校給食センター整備事業、公共施設包括管理業務委託の発注における地元企業に対する考え方について伺います。 この質問を行う前に、さきの建設経済常任委員会でも報告のあった小田原市下水道管路包括的維持管理業務でありますが、国のガイドラインでは、下水道施設の老朽化が進む中、限られた予算及び職員数の範囲で、維持管理を計画的に行い、下水道施設の保全及び機能の確保、事故等の防止を目的とした予防保全型維持管理への早期転換が求められており、その手段として、民間の力を活用した包括的民間委託の導入が有効であると述べられています。この包括的民間委託は、複数業務のパッケージ化及び複数年契約による効率化を通じて、維持管理の質の確保・向上及びコスト削減が期待されるとしています。 これら国の示す方向性を踏まえ、小田原市では、平成29年度から包括的民間委託の検討を開始されました。構想の段階から、市内事業者等との意見交換を進め、大枠の合意を得、その結果、日常的な維持管理と取付管の更生工事をパックとして、複数年契約を行う包括的民間委託の形になったと承知しております。 私は、この包括的民間委託を考えたときに、まず一番大切なことは、市民サービスの向上に寄与するのかということであると思います。小田原市下水道管路包括的維持管理業務においては、365日24時間、詰まり等の通報から現場調査、原因特定、緊急対応までワンストップの作業となり、迅速な対応が可能となるなど、市民サービスの向上につながるものと理解するものです。 次に、包括的民間委託により、市内事業者の受注機会の喪失にならないか、市内事業者の参画をどう考えているのかを伺ったところ、共同企業体いわゆるJVの構成において、コンサルタント以外の構成企業は市内事業者と定めていること、また、下水道本管の地震対策などの更生工事は包括的民間委託に含まず、従来どおり市で個別に発注することから、市内業者の受注機会の喪失にはならないようになっているとのこと。さらに、行政が行っていた業務の一部を民間委託することにより、市職員は、諸計画策定や工事執行等、本来の行政が行うべき事務に注力できるメリットがあるとのこと。 このように、単なるスケールメリットばかりを追求することなく、事業スキームを考える初期段階から市内業者との意見交換を進め、その結果を踏まえ、小田原市の実情に合った、いわば小田原市型の包括的民間委託の検討を進めたこと、さらに市民サービスの向上、地元企業との協働等の観点からも検討を行っており、上下水道局の進める包括的維持管理業務は大いに評価できるものと考え、応援していきたいと思っております。 地元企業に対する考え方について、前向きな報告を受けました。そこで(2)として、学校給食センター整備事業、公共施設包括管理業務委託の発注における、地元企業に対する考え方について伺います。 最近の市の大型事業においては、「地元でできるものは地元で」との方向性を打ち出し、極力地元に事業を下ろそうと聞いています。大変結構なことだと思います。地域経済を循環させるためにも、引き続き、地元事業者への発注に配慮していっていただきたい。そこで、学校給食センター整備事業、公共施設包括管理業務委託の発注における、地元企業に対する考え方について伺います。 次に、(3)として、様々な公共事業の発注方法があるが、小田原市の経済発展のため、地元企業を育成し、災害時の対応も含め、地元企業でできるものは地元でと思うが、見解を伺います。 次に、大項目の3として、(1)新総合計画策定に合わせ、「世界が憧れるまち“小田原”」を次世代に継承していただくためにも、45年経過している市民憲章を見直すべきと思いますが、見解を伺います。 小田原市の市民憲章は昭和51年7月20日に制定され、45年経過し、十年一昔と言いますが、生活スタイルの変化、デジタル化社会への転換等、私たちの生活環境は大きく変わろうとしております。 市民憲章とは、一つの自治体に住む住民が、互いにつながりを持って、よい生活を築こうという考えを表したものです。市民として誇りを持ち、自らつくった環境に責任を感じ、その文化遺産を尊重し、継承するという、市民の合意や約束、願いを表したものとしております。そこで、私は、小田原の郷土の偉人、二宮尊徳の教えを基軸に考えたらと思います。 二宮尊徳は、内村鑑三の英文著書「代表的日本人」(西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人)として取り上げられ、内村は英文の書籍として世界に向けて発行した。これは1908年4月29日、英文で発行されました。この5人には、誰かのために身をささげるという利他の精神が共通しております。内村は、二宮尊徳を農民聖者と銘打ち、尊徳の生い立ちからその功績を取り上げているが、この中に「仁術さえ施せば、この貧しい人々に平和で豊かな暮らしを取り戻すことができます」という、尊徳ならではの弁を記述している。 内村が取り上げた尊徳の精神を、小田原市民が受け継いでいけば、平和で豊かな暮らしが続いていくと思います。ぜひ、郷土の偉人、二宮尊徳の教えを反映した市民憲章を、小田原市、幼児からお年寄りの方まで、市民アンケート、勉強会等により全方位的に市民の声を聴き、市民から共感を得ながら、新たに市民憲章を作成されたらと思いますが、見解を伺います。 次に、大項目の4として、地震、豪雨災害、津波に強い防災力向上まちづくりについて、何点か伺います。 近年、台風や大雨による被害は、毎年のように全国各地で起こっており、本市においても、今年は7月、8月の長雨により、土砂崩れや敷地内への浸水など、これまで経験したことのないような被害が多く起こりました。また、地震については、神奈川県西部地震をはじめ、都心南部直下地震や南海トラフ巨大地震など、専門家によればその切迫性が高まっている状況にあります。 このような災害は、いつ起きてもおかしくない状況でありますが、自然災害は待ってくれませんので、いざというときにどのような対応を取るか、あるいはどのようにして被害を軽減させるかということについて、平時から考えておくとともに、今後、災害に強いまちづくりをさらに進めていく必要があると私は考えます。 そのような中、先日10月18日の神奈川新聞によれば、横浜市では防災力向上マンションの認定制度を導入するという記事がありました。本市の災害リスク等を考慮すると、市内に防災力の高いマンションを増やしていくことは、マンションの住民のみならず周辺地域の住民にとっても心強いことと思いますので、推進しやすい制度をつくっていくことも必要な取組ではないかと考えます。 そこで伺います。県内で初めて導入される横浜市の防災力向上マンションの認定制度について、御見解をお伺いします。 次に、私は、令和2年9月定例会の一般質問において、人口増加策の観点から、小田原駅を含む駅前への超高層マンションの建設について御提案させていただきました。また、人口増加策と併せて、防災倉庫の設置や、緊急時における近隣住民の避難場所など、防災避難タワーとしての機能を持たせることにより、いざというときの防災対策にもつながるものではないかと考えております。 そこで伺います。市内18の駅近における防災対応型超高層マンションの建設について、防災の観点から御所見を伺います。 次に、大項目の5として、小田原市立地適正化計画の実現に向けてお伺いします。 (1)として、新総合計画と立地適正化計画との整合性について伺います。 小田原市立地適正化計画は、従来の都市計画で取り扱ってこなかった医療・福祉・子育て・商業等の居住に関連する多様な都市機能を包括的に対象とした計画です。本市では、県内の他都市に先駆け、平成29年に計画策定し、この計画によって、国の補助金である社会資本整備総合交付金より補助率が高い、都市構造再編集中支援事業を活用することができ、これまでミナカ小田原、小田原三の丸ホールなどの、市の重要な基盤整備に活用されてきております。私は、この立地適正化計画は、本市が持続可能なまちづくりを進める上で不可欠であり、かつ、誇るべき計画であると考えます。 そこで質問ですが、新総合計画は現在策定中ですが、この上位計画において、既に策定されている立地適正化計画の内容が位置づけられるのかをお伺いします。 次に、(2)として、川東地区の中核となる鴨宮駅周辺における都市整備の方策について伺います。 鴨宮駅周辺は、小田原市総合計画において、「快適で魅力ある生活空間づくり」による実施事業(地域地区等見直し)は地域の実情に即したまちづくりを進め、高度利用等による土地利用の促進に向け、地域地区の見直しを進めるとしております。また、都市計画マスタープランでは、鴨宮駅周辺を副次中心商業地域とし、食・住・商が近接する利便性の高い機能集積を図り、小売店舗の振興を図る地域としています。また、立地適正化計画において地域中心拠点として位置づけられており、商業施設の誘導が図りやすい区域となっています。 また、鴨宮駅周辺は、用途地域が近隣商業地域になっており、駅南口周辺は土地区画整理事業の完了に伴い、容積率が300%に指定されていますが、駅北口周辺は、用途地域が同じ近隣商業地域にもかかわらず、容積率が200%となっております。駅前にあって、容積率が200%では、土地の高度利用が図れず、いまだ低層建築物が立ち並んでおり、都市整備が進んでいない現状があります。 JR東海道本線の駅前という非常に高い立地ポテンシャルを有しているものの、低い容積率がゆえに、事業採算性の観点から、再開発に意欲を見せる民間デベロッパーの事業参入につながっていないのではないかと考えています。こうしたことからも、容積率が緩和されれば、中高層建築物の建築も可能となり、マンション建設などの民間再開発が進み、川東地区の中核となる鴨宮駅周辺の土地利用が促進されていくと考えています。 そこで、鴨宮駅北口周辺の近隣商業地域における、容積率の規制緩和が必要かと思いますが、その見解を伺います。 以上、登壇での質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 12番杉山議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、行政改革のこれまでの実績等について質問がございました。本市の行政改革は、将来を見据えた行財政運営の推進を目標に、歳入確保や歳出抑制といった「量の改革」と、行政サービスの質の向上を図る「質の改革」の両輪で進めております。「量の改革」といたしましては、住民窓口の再編や職員住居手当の見直し等に取り組み、その財政効果額は、中間評価時点において一般会計ベースでは6億3800万円余、目標額の14.5億円に対する達成率は44%となっております。一方、「質の改革」においては、官・民・地域との協働による広場・公園づくりや働き方改革に関する取組など32項目の取組を掲げ、中間評価時点の目標達成率は40%となっております。 次に、行政改革次期計画の基本的な目標等について質問がございました。計画の策定に当たりましては、今後の行政改革の推進につきまして、市の附属機関であります行政改革推進委員会に諮問したところであります。今後も、厳しい財政状況が見込まれる中、「世界が憧れるまち“小田原”」を着実に実現していくため、引き続き、将来を見据えた行財政運営の推進を目標に掲げ、全庁を挙げて取り組んでまいります。また、目標達成に向けては、持続可能な行財政運営と市民ニーズに即応した行政サービスを確立するため、効率的・効果的な行財政運営、行政サービスの質の向上、持続可能な財政基盤の確立を改革推進の視点とし、具体な取組を位置づけていく予定でございます。 次に、行政改革次期計画の計画期間について質問がございました。行政改革の現計画は、平成29年度から令和4年度までを計画期間としており、この6年間で14.5億円の財政効果額を生み出すことを目標としております。この目標額の達成に向け、現計画の取組が順調に進んでいることから、まずは最終年度である令和4年度までしっかりと取り組み、確実に成果を上げていきたいと考えております。 次に、2市8町の合併について質問がございました。合併は最大の行財政改革となり得ることは、御指摘のとおりでございますが、関係自治体間での意識の共有が大前提となります。それぞれの自治体の考え方があり、これまでの県西地域合併検討会や南足柄市との2市協議などの検討の経緯から、本市から他の自治体に対し、合併を積極的に働きかけていく考えはございません。 次に、大阪市の行政改革について質問がございました。本市においても、定員管理の適正化や公共施設の管理運営方法の見直しなど、様々な改革に取り組み、成果を上げてきた経緯がございます。一方で、今後の行政改革においては、限られた経営資源を効率的かつ効果的に活用し、行政サービスの質をいかに向上していくかが求められると認識しております。いずれにいたしましても、自治体の行財政運営の状況等により行政改革へのアプローチの仕方も異なりますが、他の自治体の事例も参考にしながら、本市の抱える課題に適した取組を進めてまいります。 次に、令和元年度に公共施設包括管理業務を中止した経緯等について質問がございました。本業務は、令和元年度に、他市の先行事例や日本PFI・PPP協会の発信する情報等を参考にしながら、公募型プロポーザルを実施しましたが、地元の理解が得られず、業務を中止した経緯がございます。今回はそれを踏まえ、小田原箱根商工会議所や地元事業者との勉強会、意見交換等を重ねてきたところでございます。 次に、学校給食センター整備事業の発注における地元企業に対する考え方について質問がございました。学校給食センター整備事業の発注に当たりましては、契約の適正な履行が確保できる範囲において、市内企業の受注機会を確保するという市全体の方針、及び調理運営がしやすい施設整備を踏まえ、検討を行いました。その結果、建設は地元企業だけでも競争性が確保でき、調理機器企業が設計から関わることで、調理運営しやすい施設整備ができると判断し、地元建設企業を共同事業体の代表者とするプロポーザルを実施中でございます。 次に、包括管理業務の発注における、地元企業に対する考え方について質問がございました。公共施設包括管理業務委託の再構築につきましては、先ほど答弁したような経緯を踏まえ、事前に市内事業者と意見交換を行うなど、地元の声にできる限り配慮して事業を進めております。今後も、2回目のサウンディング型市場調査を実施するなど、市内事業者の意見も十分に聞き取った上で、プロポーザルを実施してまいります。 次に、地元企業の受注機会の確保について質問がございました。かねてより、地域経済の好循環を図り、本市の経済を活性化させるとともに、災害時の復旧対応のためにも、市内事業者の受注機会を確保し、育成を図ることは非常に重要であると考えてまいりました。このため、令和2年4月には、要項(綱)の中に、市内中小企業者の受注機会の確保に努める本市の方針を明記したほか、指名業者の選定に当たっては、可能な限り業界団体にヒアリング等を実施し、受注可能な市内事業者の掘り起こしに努めるよう、本年9月に庁内に周知したところであります。今後も、「地元でできるものは地元で」との考えの下、引き続き、市内事業者の受注機会の確保に努めてまいります。 次に、市民憲章について質問がございました。本市の市民憲章は、昭和51年の本庁舎完成を機に、市民が日常生活の中でよりどころとすることを目的として制定したものでございます。近年の他市事例といたしましては、市町村合併や中核市など新たな都市制度への移行、市制の周年記念などの機会を捉えた制定や改正が多いと承知しております。市民憲章は、総合計画に掲げるまちづくりの方針等にかかわらず、市民が末永く共感できる普遍的な内容とすべきであり、本市の市民憲章もそのような内容となっていることから、新総合計画策定の機会を捉えて市民憲章を見直すことは考えておりません。 次に、横浜市の防災力向上マンション認定制度について質問がございました。横浜市で検討中の認定制度は、令和元年の台風第19号における高層マンションでの浸水による電気設備等の被害を契機に、災害に強いマンションの形成と地域住民を含めた防災力の向上を目的に、ハード・ソフトの両面に認定基準を設けたものと認識しております。横浜市では、この認定制度を令和4年1月から導入する予定となっておりますが、他市等でも導入例があり、実例を確認してまいります。 次に、防災対応型超高層マンションについて質問がございました。本市の浸水被害や津波被害の想定を考えれば、必ずしも超高層の建物である必要はございませんが、災害時の一時避難施設として、一定の高さの建物は地域住民の避難にも有効であると認識しており、現在も幾つかの民間施設と協定を締結しております。また、災害時の拠点として、備蓄倉庫や住民の避難場所等を確保していくことは有効であるため、まずは、既にある民間施設の活用も図りながら、防災拠点の充実に努めてまいります。 次に、新総合計画における立地適正化計画の位置づけについて質問がございました。立地適正化計画は、広域的な都市機能が集積し、「交流・賑わい・魅力があふれる中心市街地」と、公共交通を軸とした生活利便性が確保された「歩いて暮らしやすい生活圏」の構築を目指しております。この理念を、新総合計画では、本市が持つ公共交通の利便性を生かした集約型都市の形成による、快適で魅力ある都市整備を進めると位置づけております。これにより、地域特性に応じた立地誘導や、拠点における回遊性、街なか居住などについて、より一層の推進を図ってまいります。 次に、鴨宮駅北口周辺の容積率の緩和について質問がございました。北口周辺の近隣商業地域は、土地区画整理事業が実施された南口周辺とは異なり、道路等の都市基盤が脆弱なため、容積率を抑えた用途地域を都市計画決定しております。用途地域は、都市計画運用指針において、都市全体にわたる都市機能の配置や、密度構成などの観点から検討するとしております。こうしたことから、北口周辺において、一定規模以上の整形化された区域で整備を行う場合には、容積率を定める用途地域の変更も考えられますが、街区単位での整備につきましては、地区計画制度による緩和を検討すべきと考えます。 以上をもちまして、12番杉山議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◆12番(杉山三郎君) 一定の答弁をいただきました。それでは、順次再質問させていただきます。 大項目の1の、行政改革次期計画の策定について再質問します。 初めに、次期計画の策定に向け、市の附属機関である行政改革推進委員会に、次期計画の基本的な考え方について諮問し、当委員会からの答申を踏まえ、令和5年度からスタートする次期計画を策定するとしていますが、そこで伺います。 私は、守屋市長の政治施策を行政改革次期計画に反映させるべきで、行政改革推進委員会の意見を聴く前に、市長が、これだけは行政改革の柱としてやらなければならない改革の柱を挙げてほしいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 社会経済情勢の変化や市民ニーズの多様化等にしっかりと対応しつつ、本市が2030年に目指す将来都市像「世界が憧れるまち“小田原”」を実現するためには、今後も不断の行政改革に取り組んでいかなければならないと考えております。そこで、行政改革次期計画では、ポストコロナ社会を見据え、先ほども御答弁を申し上げましたが、効率的・効果的な行財政運営、行政サービスの質の向上、持続可能な財政基盤の確立の3点を改革推進の視点としながら、公民連携やデジタル化の推進等を重点推進項目に掲げて、取組を進めていきたいと考えております。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 御答弁ありがとうございました。 次に、総合計画と連動させながら行政改革次期計画を策定すべきと考えるが、再度市長の見解をお伺いします。 ◎市長(守屋輝彦君) 新総合計画と行政改革次期計画との連動についての御質問でございますが、この新総合計画と行政改革次期計画、これは開始年度は異なりますが、行政改革を含めた効率的な行財政運営の推進、これは新総合計画において、公民連携、若者・女性活躍等とデジタル化の推進とともに、まちづくりの推進エンジンの一つと位置づけております。このようなことから、行政改革次期計画については、新総合計画との連動を意識しながら、策定作業を進めてまいります。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 御答弁は分かりました。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響により、県西地域2市8町の財政状況がさらに厳しくなる今こそ、合併するときであり、合併は行政改革の核と考えるが、再度見解をお伺いします。 ◎市長(守屋輝彦君) コロナ禍を踏まえた2市8町の合併についての御質問でございますが、このコロナ禍においても、安定的に行政サービスを提供していくためには、まずは、各市町が行政改革を着実に進めていく、これが肝要であろうと考えております。繰り返しとなりますが、現時点において、本市から他の自治体に対して合併を積極的に働きかけていく考えはございません。県西地域は2市8町ございますけれども、今後も共通の課題については、広域的なスケールメリットを生かした連携事業を進めるなど、効率的・効果的な行財政運営に努めてまいります。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 合併に関して、何度も同じようなことを質問しますけれども、私が2市8町合併にこだわるのは、今まで50年もの長きにわたり広域的な連携を続けてきたにもかかわらず、時代の変革、デジタル社会を迎えているのに、なぜ合併を検討しないのか。このことに対して、何度も言いますけれども、市長の見解をお伺いします。 ◎市長(守屋輝彦君) 県西地域の2市8町においては、住民の生活圏が地域全体に及んでいることから、地域内の課題を共有し、相互に連携・補完し合いながら、その解決に向けた取組をこれまで進めてきたところでございます。この間、県西地域合併検討会を設置いたしまして、2市8町がそろって合併に関する検討を行い、地域の将来を見据えて合併が必要との認識を共有しながらも、結果的にまとまらなかったという経緯がございます。合併に関しては、関係自治体それぞれに考えがあると考えておりますので、現時点において、合併に向けた検討を始める状況には至っていないと認識しております。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) また合併に関してですけれども、南足柄市との2市協議における協議結果でも、年間約18億円、合併後10年間の累計で約150億円の財政効果額が見込まれると報告されております。この財政効果額があるのに、なぜ合併に向け、前に進もうとしないのかをお伺いいたします。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 南足柄市との2市協議の協議結果からも、合併には相応の財政効果が見込まれる、これは分かったところでございますが、合併を実現させるためには、最終的には関係自治体間での意識の共有が大前提であり、こちらのほうが、合併による効果よりももっと大切なことだとも考えております。したがいまして、繰り返しの答弁とはなりますけれども、意識の共有がなされていない現時点においては、合併を積極的に検討する考えはございません。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 何度も何度も合併の話をしますけれども、私は毎回言わせていただいておりますが、藤沢市は人口約44万人、首長1人、議員数36人、職員数が約3800人。それに対して2市8町は、藤沢市よりも人口が10万人少ないのに、首長10人、議員数147人、職員数約4000人。この不合理に対して、市長の御所見をお伺いします。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 本市を含む県西地域、この2市8町は、各自治体が地域住民の共通理解の下で、単独の自治体としてそれぞれの特徴を生かしながら独自のまちづくりを進めておりまして、行政改革にも着実に取り組んでいる状況とも認識しております。したがいまして、合併を検討する状況ではないと何度も答弁させていただいておりますが、合併を前提とした職員数等の行政体制については、論ずる環境にないと考えます。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 合併に関しては、ぜひ守屋市長に期待しておりますので、再度、いろいろ検討していただきたいと思います。 次に、大阪市の行政改革を見習うべきとお伺いしました。大阪市の松井市長は、市長の報酬の4割カット、退職金ゼロと約束して実行しているが、守屋市長は、このことをどのように受け止めているのか、見解をお伺いします。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 首長は、政治家としておのおのの政治信条にのっとって、自らの身の処し方を決めるべきと考えております。大阪市の松井市長が約束を実行したことについてコメントすることは、差し控えさせていただきます。いずれにいたしましても、本市においては、財政状況やポストコロナ社会等を見据えた行財政運営の在り方をしっかりと検討し、持続可能な体制を整えていくことに全力を尽くしてまいります。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 見解は分かりました。 次に、大項目2の(3)として、様々な公共事業の発注方法があるが、小田原市の経済発展のため、地元企業を育成し、災害時の対応も含めて、「地元企業でできるものは地元で」との訴えに対して、市長もしっかりと受け止めていただいて、これは感謝いたします。 そこで、再質問させていただきます。 公共工事に焦点を当ててみますと、地域維持事業、すなわち災害対応、除雪、インフラの維持管理等については、全国的にはこれらを担う地域建設企業が減少し、地域社会の維持に不可欠な最低限の維持管理までもが困難となる地域が生じてきております。そこで、国では、地域維持型契約方式として、地域の実情に合わせて、複数の契約を従来よりも包括的に一つの契約として、地域精通度の高い建設業者やJVに発注することができる契約方式を提示しております。 そこで伺います。①として、本市においても、災害応急対策、道路の維持修繕等の地域維持事業を行い、不可欠な役割を担っている市内建設業者の減少や小規模化が進んでいるのではないでしょうか。そこで、本市でも地域維持型契約方式の導入を検討するため、これらの実態について調査すべきだと思いますが、見解を伺います。 次に、②として、また、地域の担い手としての市内建設業者を安定的に確保するために、国の指針で示されているとおり、必要に応じて、地域維持型契約方式による発注を検討する必要があると思いますが、見解をお伺いいたします。 ◎総務部長(石川幸彦君) 地域維持型契約方式に関して、2点御質問いただきました。 まず、実態調査ということでございますが、12番杉山議員御提案いただきました地域維持型契約方式につきましては、除雪ですとか災害復旧等、地域の維持管理を担う建設業者の減少に対応するために位置づけられた契約方式でございます。そのために、実施している例は東北地方ですとか中国地方等、建設業者が減少している地方圏でのものが多いと承知をしております。本市の状況でございますが、本市に本店を有する建設業許可事業者は、令和2年から3年にかけて680者から700者程度で推移しておりまして、これは近隣他市と比較しても多い状況であるということを把握しているところでございます。 それから2点目に、今後、地域維持型契約方式の必要性について検討してはどうかということでございます。地域建設業者の減少や小規模化の進行が、全国的な人口減少に伴うものであることを考えますと、現状では本市は、先ほど答弁申し上げましたとおり、建設業者は多い状況ではございますが、本市においても地域を支える建設事業者の育成につながる契約方式を研究していくことは、今後に向けて必要なことであると考えております。市内の建設業許可事業者数、この数だけではなくて、入札参加の動向ですとか事業者等の声にも耳を傾けながら、必要な契約方式を柔軟に選択していくよう努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(杉山三郎君) 一定の答弁ありがとうございました。今後、検討されるとのことで、よろしくお願いいたします。 次に、大項目の3として、45年経過している市民憲章について再質問します。 私は、小田原の偉人、世界的に影響力がある二宮尊徳先生を基軸とした考えを、市民憲章に盛り込み、オール市民で市民憲章を作成したらと思いますが、再度、市長の見解を伺います。 ◎市長(守屋輝彦君) 本市の市民憲章は、前文で、市の特徴、市民の誇り、市の発展の方向とその意志を表すとともに、条文で、個人、家庭、隣人、地域社会、市勢についての指針を打ち出しておりまして、先ほど答弁いたしましたように、市民が末永く共感できる普遍的な内容となっていることから、現時点で見直すことは考えておりません。 以上です。 ◆12番(杉山三郎君) 市長の見解は分かりました。 次に、大項目の4として、防災力向上まちづくりについて再質問します。 今回は、横浜市の防災力向上マンションの認定制度の報道があり、この機を捉えて、私が、まちの活性化と防災力の強化を兼ねて、議会で伺ってまいりました。 今回は、防災面での質問でしたが、小田原市には18の駅があり、その直近に防災拠点、超高層マンションを考えるべきと訴えました。駅周辺に超高層マンションがあれば、多くの市民の方々、特に障がいがある方、お年寄りの方など、身近で安全なこのマンションがあれば、安心して避難できるのではないでしょうか。防災拠点とまちの活性化を促進するため、18の駅直近に超高層マンションを築造することにより、安心・安全快適空間、様々なメリットが生まれると私は思います。今後、検討されるよう要望いたします。 これは防災の問題ですけれども、人口増加策にすれば、やはり18もの駅の周辺を何かの形で動かさないと、人口増加にはつながらない。こういう一つのテーマを持って、防災にかけて申し上げましたけれども、今後とも御検討のほどよろしくお願いします。 次に、大項目の5として、総合計画と立地適正化計画との整合性について、一定の答弁をいただきました。 中核となる鴨宮駅周辺の再整備については、規制の緩和や容積率についても、企業が参画できるように前向きな答弁をいただきました。ぜひ、よろしくお願い申し上げます。 本日は、行政改革、市民憲章、合併問題、立地適正化によるまちづくりなどを質問させていただきました。ぜひ守屋市長には、歴代市長がかなえなかったもの、例えば合併問題、中心市街地の活性化、18駅ある駅前の活性化、大胆な企業誘致をスピード感と英断をもって、ぜひ、新しい総合計画のよい船出となるように実行していただきたいことをお願い申し上げます。 私の考えに対して市長の御所見をお伺いし、質問を終わります。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 様々な観点から御提案をいただきました。昨年、本市は市制80周年を迎えました。私も、日々市政に当たらせていただいて、この80年間の重みということを非常に感じながら、毎日職務に取り組んでいるところでございます。そして、このたびの議会において、第6次小田原市総合計画の基本構想を議決いただいたところでございます。これから実行計画等の肉づけを行って、令和4年度からスタートする準備を今しているところでございますので、これで2030年に「世界が憧れるまち“小田原”」をつくる、いろいろな計画が整ったことになりますので、しっかりとその実現に向けて、これから取り組んでいきたいと考えます。 以上です。 ○議長(大川裕君) 以上で本日予定しておりました一般質問は全て終了しましたので、明日16日午前10時から続行することにいたします。 なお、改めて再開の御通知をいたしませんので、御承知ください。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。     午後3時47分 散会...